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TH「なんか、すごく面倒くさいことになってんだね？」
『いや、ほんとそう…なんで私がこんなことになってんのかって…』
って、私誰と話してんの？
ばっと後ろ振り返ったら、寝てたはずの占い師がぱっちり目を開いて、私を見上げてた。
『起き…っ！いつから！？』
TH「んー？『私を好きにならないで』のあたりかな。うつらうつらしてたんだけど、俺に言ったのかと思ってはっと目が覚めたら…なんか修羅場？黙って見守っちゃった」
そう言いながら起き上がって、あくびしながらベッドであぐらかいて。
私は自分の言葉を占い師が復唱なんかするもんだから、そんなこと言える私は何様だってこと、改めて突き付けられて、息するの忘れてた羞恥心と自虐がぐんっと一気に来た。
仮に今片手に銃でも持ってたら、躊躇いなく自分の頭撃ち抜けるてくらいの、いたたまれなさに顔を覆って唸る。
TH「うわ、耳真っ赤だよ。何、俺が見ちゃダメだった？ごめんね？」
『見ちゃダメってか、呆れたでしょう？あー、お前如きが何言ってんだですよね？』
顔隠したままで、私が自虐をこぼしたら、占い師は「そんなこと思わないけど、でも…」て言い淀んだと思ったら、急に両手首を掴まれて引き寄せらて、意外なくらい強い力で抵抗もできずに、ころりとその腕の中に飛び込んでしまった。
『ちょっ、えっ、待ってやめ…』
てか、私が相手を慌てて押し除けようとするこの流れ、パターン化してて嫌だ。
なんか凄くモテモテじゃん私…
自分の意思とは関係なく、
みんな私を抱きしめたがる。
『あなたの言う通りだった』
ぽろ、と思わず声に出してた。
ん？て顔して私を覗き込む顔は、本当に他見たことないくらい美しくて…逆に全然ときめかない。
リアルさ皆無で。
『自分が意図せず他人に好かれることって、怖いことばっか』
この先を見通す目を持っ人が、不用意に男に近付けば怖い思いをするって、ちゃんと教えてくれてたのにな。
『私は何一つ活かせずに、戸惑って、不用意に失敗して、今もこんなことになってるし』
ついさっき二度目ましての男の人に、強引に膝の上に抱え込まれて抱かれてる、この状況だよ。
占い師は私の言葉に「おー…」と呟いてから少し考えるような顔で上を見て、また戻ってきた時には笑ってた。
TH「難しく考えないで、いっそ好きだって言ってくるみんなと、軽くデートでもしてみたら？」
なんて？
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作者名：Fune55
| 作成日時：2023年10月9日 18時
