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『テヒョンさんは、見た目とのギャップの大きい人ですね?』
TH「アー、さん付けになったか…キム・テヒョンてフルネームで呼ばれるのと印象大差ないから不満しか無いんだけど?」
『ご不満ならもう、占い師って呼ぶぞ。そっちの方がなんか馴染みあるし』
TH「さん、でいいです。テヒョンさんで」
被せ気味で頷きながら了承の意を伝えてきて、今更だけど私は肩を抱かれての密着具合に居心地悪くなってきた。
『…あの、ちょっと暑いんで、離れてもらえません?』
TH「さっき俺の手握ったのAじゃん」
『私の肩抱いてきたのはテヒョンさんでしょ』
TH「肩抱いて、手を握り返してくれたなら、これってもう付き合ってるでいいんじゃない?今これ知り合いの誰かに見られて俺らの関係聞かれたら、説明面倒だからAのこと「俺の彼女」って言って良い?」
『アッハッハッハッハッハ』
秒で吹いた。
だってこの人距離のつめ方とか、
迫り方とか、
なんかバグってるとか妙だとかそういう次元じゃなくて。
もうこれ、
めっちゃ面白いのやつ。
『ハハハ…あー、お腹痛い…テヒョンさんと居るとなんか体の力抜けるよ…』
浜辺に降りるための幅広で横に長い階段は、誰にも邪魔になるような場所じゃないから、ぐでっと後ろに伸びたら肩にくっついてたテヒョンさんごと、二人して仰向けに寝転がった。
ちょうど太陽が雲に隠れたところで、穏やかだけど生ぬるい風が頬を撫でてく。
こんな風に昼間に誰かと遊びに行くことなんか何年ぶり?下手したら学生以来?ってノスタルジックに浸り掛けてたら、膝枕する形になってるテヒョンさんの腕が曲がって、私の顔に影を落とすように手傘を作ってくれた。
TH「曇ってても、紫外線は届いてるんだよ?」
『気遣いの発想が斜め上すぎて』
くく、ってまだ喉から笑いが飛び出して。
つい今朝まで私、もうこの先どうやって生きていったら良いかわからないくらい落ち込んでたの、今やっと思い出したよ。
『テヒョンさんありがとう。すごく腕の良い占い師は、精神科医にもなれるんですね…』
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作者名:Fune55 | 作成日時:2023年10月9日 18時