人生最初で最後のモテ期-3-【ALL】 (ページ17)

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TH「ちょっとまともじゃない幼児体験とか、両親の離婚とか、複雑な家庭環境にあった人は、他人からの好意を信じたくてもできないように、呪われてんだ」

TH「自力で解ける人もいるんだけどね。Aは無理？あんなに純粋な好意を浴びてもダメだった？随分ガッチガチに呪われてんじゃん。そんならもう一人では無理なんじゃない？」

画面外に誰かいるの？って思うくらい一点見つめたまま、私の知らない私の話を畳み掛けるように言ってくるキム・テヒョンに圧倒されて無言でそのよく喋る唇見つめてたら…ちろりと私と目を合わせて、

TH「俺、それ解き方知ってるよ」

小さな画面の向こうで、寝起きって言うには美しい顔の…でも確かに、寝癖だらけの頭の人がふわっと笑って、柔らかく言った。

TH「住所教えて。迎えに行くよ。デートしよ？」

今日休みになっちゃったし。

断る理由が無かった。

TH「海だーーーーー！！！」

『うーん？海ですね？てか、海だぁ？』

気が付いたら海に来てた。

短いズボン履いてねって変なリクエストするなあって思ったら、海に連れてきたかったのか。

デートってスカートじゃないの？って思ったけど、海風強すぎてスカートだったら秒でパンツ丸見えだったなって思って、ホットパンツ履いてきて良かった…けど日焼けしそう。

念のための日焼け止め、ポーチから取り出して浜辺に降りる階段に腰おろして塗ってたら、波打ち際まで走って行ってたキム・テヒョンがいつの間にか戻ってきて

TH「俺にもちょうだい」

って言って両手出すから、ぶりぶり出して上げたら顔やら首やら無造作に塗りたくるから、あちこち白く残ってて…思わず手を出した。

『ここ、待って…あー、ここも…』

TH「あっ、耳の後ろ弱いからやめて」

『えっちな声出さない。塗ってあげてるんでしょ、大人しくして』

キム・テヒョンのハーフパンの膝から下はいらんか、って思って『はい、おしまい』って日焼け止めで額に張り付いた髪を後ろに撫でつけて上げたら、目を細めてにやっと。

TH「優しいね、A。ありがと」

顔が近い、って思ったらうちゅっとほっぺにポッポされた。

『フギャッ』

TH「ふぎゃ？猫踏んだみたいな音するじゃん」

とっさの声をケラケラ笑われた。