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通帳はなぜか私名義のもので、そこにある金額は私が数年掛けても稼げるような金額じゃない、ものすごい額入ってた。
妹「お姉ちゃんの養育費だって言ってたよ。今まで支払ってなかった分の」
って皮肉に笑って。
妹「お姉ちゃんは受け取らないから、私にくれるんだって」
確かに、母がいつか私に「養育費いる？」って聞いたことあって、私はそれに『いらない』って答えたけど。
ずっと貯めてたとか知らないよ。
だってアボジめちゃ金持ちだったんだもん。
普通に、使えないだけお小遣いもらってたからってだけで。
妹「話はこれだけ！仕事帰りにごめん、もう寝て？私も寝るよ…明日学校だから」
妹はそう言って、私の肩を軽く叩いてリビング出てった。
残された私は、肩の荷が降りたはずなのに、その荷物が抜けた分ぽっかり体に穴が空いたみたい。
喪失感、半端ない。
ナニコレ、って思いつつ、気が付いたらちゃんと風呂に入ってて部屋に戻ってて、気付けばベッドで寝てて朝になってた。
無意識の昨日の私、ありがとう。
それにしたってチクタクと、壁掛けのデジタルじゃない三本針の時計が動く音がやけにうるさい。
あ、仕事…って思ったけど、どうしたことか体が動かなくて、ただベッドで打ち上げられた魚みたいに横たわってる。
携帯手にとって、あまり考えずに電話を掛けた先のナムジュンさんに、『風邪引いたので休みます』って嘘ついてのズル休み。
いや、たぶん今心の風邪引いたから、休んで良いんだ。
だってこんなに頭が重くて、心が寒くて、わけわからないけどあんまり辛くて。
どうにもならないからプロにアドバイス聞きたくて、
登録してた番号に電話を掛けた。
『ヨボセヨ…あの、突然すみません。急に独り立ちした妹の存在が大きすぎて、喪失を埋められないのと、私を好きだった人たちがみんな我に返ってしまって、私一人それに適応できなくて…心が寒くて仕方ないんですけど、これってどうしたら治りますか？』
TH「俺、精神科医じゃなくて、占い師なんだけど」
呆れた声でも、占い師…キム・テヒョンが私の電話をワンコールで取ってくれたってだけで、ほっとしすぎて泣けてしまった。
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作者名：Fune55
| 作成日時：2023年10月9日 18時
