人生最初で最後のモテ期-3-【ALL】 (ページ11)

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取り残された私は、そういやまだ仕事中だったって思い出して、慌てて厨房に戻って残りの仕事をこなして、一日を終わらせた。

帰りにユンギさんと一緒の電車はさすがに少しどころじゃなく気まずくて、都度黙ってしまう私に最終的にユンギさんがキレて

YG「お前が元通りが言いつったんだろうが！どぎまぎするなら関係変えてもいんだぞ！」

って言うから、慌てて

『いや、だってしょうがないじゃないですか！ユンギさんの声聞く度に、この人さっき私のことめちゃくそかわいいって言ったなって…思い出すつーか…だから…照れてるってことで見逃してくださいよ…』

って言わなくて良いこと弁明してしまったら、ユンギさんが黙った後に、

YG「今から二人して、記憶喪失になる方法でも考えよう。思いついた奴が明日コンビニで何か奢るってことで」

っておかしな提案してきて、私は普段ならそんなわけわからないこと思いつかないって返事してたと思うけど。

『OKなら今殴り合いますか？主に頭部を中心的に』

って返事したら、秒で笑ってくれたからほっとした。

モテ期が終わる最後の日、私は仕事休んで家でゴロゴロしてた。

なんかイベント有っても嫌だし、一日中ビクビクして過ごすくらいならいっそ有給使っちゃえって。

そんな感じで、当たり障りなく最終日を乗り越えて、ユンギさんが迎えに来るって言ったのお断りして、帽子もかぶらず外出たけど、駅までの景色ってこんなだった？って思うくらい新鮮だった。

電車降りて、改札に行く途中

「おい」

声かけられて振り返ったら、ユンギさんが立っててこちらを真っ直ぐ見つめてた。

不意のことで、私も同じように見つめ返してしまったけど…ユンギさんはちょっと首をかしげて、

YG「…なるほど」

って言って、変な顔。

『…何が、なるほどなのか聞きたくないんで、言わないで下さいね？』

隣に並んで来たユンギさんの顔を見ないで、改札くぐったら横並びの人が

YG「猫のがかわいく見えるのやつな」

ってぼそっと言うから、あー…って気分が落ちるやら、ほっとするやら、はっきり教えてくれて良かったような。

なんか泣きたくなるような。