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ユンギさんは動かない私に何かするわけでもなく、ただ腰を抱いて額に話しかけてるわけだけど。
YG「そん中の誰かを、お前が好きになったら、付き合うんだろ？」
YG「俺はそれを、そのまま指くわえてろっての？」
YG「俺はお前にとって、どんどけ空気なの？」
YG「今この距離逃げないのも、俺への信頼ってやつ？だとしたらいっそ悲鳴をあげて逃げられた方が、まだチャンスがある奴だよな？」
一つも答えられない質問を、バシバシ当ててくるから、頭がどんどん痛くなる。
多分深くなってく私の眉間の皺に、ユンギさんは気付いて「すげー漫画みたいな縦皺作るね」って、笑ってる。
アハハって、気安い笑い声ほんと耳に心地よくて、好きなのに。
YG「なぁ。俺はそろそろ、ちゃんと目を見て話がしたいよ」
そんなこと言わないで。
『だめです』
首を振る私の理由が、全部わかってるはずだから
『お願いだから…そんなこと言わないで、ください』
顔を背けて、自分からユンギさんの肩に額を置いて、うっかりでと顔を上げて目が合わないようにした。
そしたらユンギさんの喉がくつくつ鳴って、愉快そうなリズムが体を揺らして。
YG「何その嫌がり方。
なあ、もう目を見る見ないとか、関係ないよ」
腰に回された手がゆっくり背中に回ったと思ったら、私に何かを気付かせるように何度か強く、ぎゅっぎゅっと体を押し付けるように抱きしめられた。
YG「わかんないかな。
Aさんは、
もうとっくに」
YG「猫よりかわいい」
あー、これ…なんて言うか。
私が大事に両手にすくってた…何かキラキラして大好きなものを、不意に転ばされて全部ぶちまけたような気持ち？
悔しくて、悲しくて、二度と元に戻らないことを…私を転ばせた相手にぶつけて、詰って、憎みたいような。
「そんなものじゃなくて、俺を見ろ」
そう、腕を掴まれて揺さぶられたような、気持ち。
あー、嘘だ。
誰かに「好きだ」って言われるの、
こんなに悲しくなるもんなの？
泣きそう。
そしたら、ユンギさんは肩に押しつけた私の頭に唇くっつけて、
YG「でもさあ、だからこそなんだけど」
YG「Aさんが今俺の目を見てくれたら、
俺は今の全部、
なかったことにしてやっても良いよ」
て言った。
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作者名：Fune55
| 作成日時：2023年10月9日 18時
