人生最初で最後のモテ期-3-【ALL】 (ページ1)

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ベッドでは占い師がすやすや寝てて、そのそばでユンギさんと突っ立ってるの、なんか変。

私の手を離してくれないのも変だし、会話の流れもほんと変。

状況が気まずくて、落ち着かなくていち早く立ち去りたい気持ちしか湧いてこなくて、すごく変。

最近のユンギさんとは、居心地良くて勝手に友達だって思ってた。

思ってたのは私だけだったとか、気付きたくない。

『…行きと帰りと、一緒ですもんね。そりゃ、刷り込み的に…夢にも出ますか？たぶん』

とりあえず、掴まれてる手を軽く引いてみたら、ユンギさんごと近付いてこられて、慌てて元の位置に戻そうとしたのに、詰めた距離はそのまま。

YG「お前は？俺が夢に出ることある？」

『…私、は…もう何年も夢なん観た覚えないです』

YG「へえ、そりゃ熟睡できていいね」

普段と何一つ変わらない声、顔見れないから胸元見てるけど、執事見習いのベストにネクタイ、スーツに手袋、すごく雰囲気出ててかっこいい。

そう、この人かっこいいんだ。

おしゃれで、見た目よりずっとあったかくて良い人で。

フォローも上手いし、一緒にいてほんとに、

ほんとに。

『ユンギさんは、そのままいてくださいよ。後もうちょっとじゃないですか』

つい、前置きなく本音が口を突いて出た。

YG「そのままって、なに？」

ユンギさんは、唐突な私の言葉に戸惑いもせず、繋いだままの手を少し握って。

YG「手を離して、てなんで言わねぇの？」

言ったら、

何かの均衡が、

崩れるような気がするからだよ。

そのまま。

私を好きに、

ならないでって、

どの口が言える？

思わず黙り込んだら、ユンギさんは私の手を持ち上げて、自分の胸の上に乗せて、そのまま私の腰を抱いて距離を、さらに詰めた。

もうほとんど、抱きしめられてるね？これ？

冷や汗が背中を伝って、喉が渇いて、視線がきょときょと右左と忙しなく動くの止まんない。

YG「『そのまま』って、モテ期ってやつからなるべく遠くに居て、全部が終わるの待ってろ、て意味？』

ほとんど私おでこに話しかけられてるんだけど、その通り。

やっぱり、わかってんじゃん。

YG「それで、お前が色んな奴に手を出されてるの、黙ってみてろって？」

そうは言ってません。