わたしは貴方のファンなので 2【江口拓也】

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江口side




Aちゃんを送った後の帰り道、さっきもらったストラップを眺める




江口「…可愛かったな」




最初に褒めてくれたときの顔も、

映画について楽しそうな話す姿も、

無邪気な笑顔で俺の話に相槌を打つ姿も、

薬剤師の顔をしている真剣な姿も、

恥ずかしそうにストラップを差し出す姿も、

お揃いなんですとちょっと嬉しそうに話す姿も




どの瞬間の姿も可愛いかった



まさかお土産までもらえるなんて思っても見なかった

そう思ったところでふと気が付く






江口「忘れ物って、もしかしてこれ買いに行ってた…？」






映画終わりに急に慌て始めていたAちゃんを思い出して、そういうことかと頷く




江口「…ふは、なにそれ(笑)」




多分、俺に奢られっぱなしで申し訳ない気持ちもあったんだろうけど




ただ単純に俺とのデート記念にって買ってくれてたら、嬉しい




ストラップは家に帰ってから、いつも現場に持っていくバッグにつけた





江口「お揃いか」





Aちゃんと同じ物を持っているだけで無性に嬉しくなる自分がいる
　







江口「…好きだなあ…」



無意識に口から出た言葉はシンとした部屋の空気に消えた

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