【QK】丑三ミステリー (ページ10)

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・Brilliant ページ10

side河村

残り四つの似たような扉は、外観は全く同じであった。
「どれが正解か、わかりにくいな」
「でもさ…福良の言ってたことって、良い線いってると思うんだよね」
「一人につき一つ…の扉か」
確かに？と、伊沢が言った。とりあえず入ってみたらいいのではないかと思うが、他はそうはならないらしい。
「入ってみよう？」
僕が提案してみても、みんな微妙な顔をする。
「河村さん…」
「出て来れる自信があるなら入れ。1人で死ぬのは許さねーぞ？」
そう伊沢の声がした。なに、決心はついている。
「始めから、此処を出る気しかない」
3人に振り向いてみせた。僕につられたのか、伊沢もニヤリと笑みを浮かべる。
「また会おうな」

僕はその言葉を背に扉を開けた。開いた。
暗闇にジャンプで入る。後ろでは「俺らも行くかぁ！」と声がした。

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暗闇で落ちる感覚があった。ゆっくり、沈むように。光が見えてきて、底に落ちるまで待った。

　落ちた先は岩場のようになっていた。周りが黒いのだが、暗いことはない。…透明な壁があって、その向こうが黒いってかんじだ。それともう一つ、違和感しかない輝く山。
「なんだこれ…」
近づいてよく見ると、一つずつが宝石であった。原石ではなく、カットされている。
いわゆるルース。
まばゆい宝石の山から目を逸らし、何かないか探した。
「…こういうのかな、扉と白いプレートって」
奥に扉が見えた。大きめの白いプレートには文字が書いてある…？すぐに確認しに行った。

「紅い弟は、青い兄を、食べた…
　順番通りに、仲間を探せ」

問題文の下には12個の窪みがある。
12。12といえば、星座、干支、月…

「そうか、月だ。誕生石…！」
順番に誕生石をはめていくんだ。…この山の中から？

思わず振り向いてしまった。沢山の宝石が積まれた山を見ながら、まず何が誕生石だったか思い出すことにした。