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・再会そして別れ ページ9

side河村

「山本!福良!」
「よかったー!……か?」
「待ってなかったよ!」
「とりあえず道連れだね」
なんか1人死ぬ気の奴がいたな、と伊沢の声がした。

感動の再会がこんなに最悪なことはもう無いだろう。僕らは調べた全てを山本と福良に話した。
「じゃ、じゃあできる事は…」
「だいぶ限られてるね」
とても絶望的な話をしていたと自分でも思う。少しでも希望を持つために、提案をした。
「…もう一度周ってみない?今度こそ何か変わっているかも」
「あー有りかも」
「僕も、そう思う」
意外と賛成の声が上がっていて、僕らはまたまた歩き始めた。
__________

少し歩いて、折り返し地点に来た。
そのときだった。
「あれ?こんなんあったっけ?」
こうちゃんがさっきまで無かった扉を指差した。
そして手を掛けた。
「あっ、おい!」
扉が開くと、こうちゃんは吸い込まれた。文字通り、向こうの空間に吸い込まれたのだ。ダイソン以上のパワーだったが、こうちゃん以外は吸い込まれなかった。
「こうちゃん!!」
須貝さんが叫んで、扉を開けようとした。でも、ドアノブに手が触れた瞬間、

バチッ
…と嫌な音がした。
「いっった!」
音からして電気。…バラエティ番組で聴くような割と痛いやつの音。
「すごい、ビリビリみたいな音がしたな」
伊沢も同じことを考えていたらしい。笑いたいが、笑えない状況なので皆んな苦笑。
扉を確認する。

…白いプレートというのは付いてなさそうだ。

この扉から左を見る。
「あと5つあるな」
「まさかまた間違えたら電気じゃねーよな…」
福良が扉に近づく。
「どうだろうね。単に一つにつき一人とか…

 __あっ」

『あっ』??
「あ、やべっ」
振り向いた瞬間にはもう遅かった。
「ちょっと福良さん!」
「おい、馬鹿っ」
伊沢が手を伸ばしたが、時すでに遅し。
さっきのこうちゃんの様に、福良は暗い世界へ吸い込まれた。
みんなが唖然として、しんとなる。


……
「次は、無いようにして下さい」
「はい…」
「あい…」
「善処します」

静かな廊下に成人男性4人の声が響いた。

・Brilliant→←・凶器の事実


作者から

【鬼屋は誘う】と【暗夜は続く】完結しました。ありがとう!!


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作者名:MOKKA | 作成日時:2023年11月22日 21時

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