・御札 ページ6
side河村
須貝さんは顎に触れていた手を離した。第一声はこんな感じ。
「__マジで?今ってだいぶヤバい…?」
やばいですよ、と言うには僕もこの状況を飲み込めてはいなかった。それに信じたくない気持ちが圧倒的に大きい。
「ヤバいですね」
しかし、認めるしかなかった。だってこんなにも証拠が揃っているのに…低確率を信じて待ってたら最悪の場合がきてしまう。
「…進みましょうか。待っていても変わらない」
「まぁそうだな。…御札見つけてるんだけどさ、河村の分もいる?」
「貰っておきます」
御札を受け取る。これね、僕の家に丁度あったから持ってきたんだけど、どこの御札なのか全くわからないんだよね。
「この御札どういうやつ?」
「それが、知らないんですよ。家にありましたから」
もちろん買った覚えは無い。
「お寺の名前さえ書いてないって珍しいな」
「もしかしたら手の込んだ『御札っぽいやつ』の可能性もある」
買った覚えがないということは、貰った物かな?
「ま、いいや。…ここから生きて出ることが最優先だな?」
須貝さんの表情が変わる。
「はい。できれば他とも合流したいですけどね。この先に須貝さんルートの出口があります。みんなと合流するなら、その先です」
忘れていたがお化け屋敷内なので、雰囲気がまず暗いし全てが怖い。
僕たちはそこまで進むことにした。
作者から
【鬼屋は誘う】と【暗夜は続く】完結しました。ありがとう!!
33人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:MOKKA | 作成日時:2023年11月22日 21時