【QK】丑三ミステリー (ページ4)

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・嫌な予感ページ4

side河村

こうちゃんの悲鳴が聞こえる。
線路の切り替えみたいな作業が終わった僕はそれをBGMにして、まだバックヤードにいた。
さすがに暇になってきたので、入口付近のカメラを取り外しに行く。
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少し高い位置にあるものの、手が届かないわけではない。ベリッと固定していたガムテープを剥がし、映像を確認した。
しかし映像を観ることはできなかった。

「…なんで…？」
カメラをまわしてから動画はおろか音声さえ入っていないのだ。録画している証拠の赤いランプが点いていたのに。故障か？とも思ったが、ここ最近の話があるせいで心霊現象を疑わないわけにもいかなかった。
「嫌だな…」
普通に故障かもしれない。こいつにはだいぶ前からお世話になっているし、故障だって…
自分が焦っているのが分かった。静かな所じゃ自分の鼓動もよく聞こえる。

よく聞こえる…？
あの、大音量の悲鳴BGMはどうした！？

「まずい！」
先周りのためバックヤードに行こうとしたが、目印ののれんが無かった。あったはずの所は壁になっている。
とうとうまずい。

スマホを取り出して福良に電話をかけた。
［お掛けになった番号は__…］
そんなわけないだろ。
ここは都内だ。
“普通なら”あり得ない。

…そう、普通ではないんだ。
今度は伊沢にかけてみた。
まだ繋がらない音がするが、福良の様にはなっていない。
［あ_かゎ_ら、さ_きこ_る？…］
電話は繋がった。
「ごめん、聞こえない」
嘘だ、こう答えられるなら分かってるだろ。
［き_えて_じゃ_ぇかよ］
「ノイズがあるけどね」
ツッコミができる程には元気だな。
［こっ_も］
友人の安否を確認したところで、本題に入る。
「なあ、ここおかしいよな？」
［こ__が言__ぇ］
「伊沢？」
［__？］
ノイズが強くなっている。
［20」9-］
「は！？」
突然ボイスチェンジャーみたいな音に変わった。さすがに怖すぎる。スマホを落としそうになったが、なんとか耐えた。
［2→|-］
「おい！？」
［き___？］
「“き”じゃわかんねぇよ」
［きこえ_？］
…きこえる？って言ってるか？

「聞こえた、よ？」
［そう_、_っぱ_距離_関_してる_］
…距離が関係してる。か
「そうか」
［じゃ_ち_い__ゃね？］
「…いや」
今度は僕が動いてみる。
［20」93～-］
「ちょっと動いただけでこれだ。近いかもしれないけど会うのは難しいぞ」
［そ_だ_］

突然、通話が切れた。
「おい！？伊沢！！」