【QK】丑三ミステリー (ページ26)

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【暗夜は続く】ページ26

side福良

「山本！」
お化け屋敷の中はやっぱり空気が違っていて、もはや異世界だと思った。
「福良さん！？なんで…」
「『なんで…』じゃないでしょ！此処で1人にするのは危険じゃん！」
ここに第三者がいたら、『お前は親か。』と言われそうだ。
「でも、僕_」
「でもじゃない！」
山本の声を、僕の大声でかき消した。だから誰にも聞こえなかっただろうけど(まず、誰も居ないけど)、さっき山本は…

『でも、僕のせいなんです』
と、言った。そんなわけないじゃん。ねぇ…。

「…心配なんだよ。意外と危なっかしい事するしさぁ」
だから一緒に行こう、と僕は山本の腕をひいた。

__________

お化け屋敷…というか、異次元の内部。僕らはこうちゃんを探しに来たわけだが、本当に居るのだろうか。すれ違いになってたりしないだろうか…
「こうちゃん…今、何してるんでしょうね」
「無事だとは思うけどね…」
内部は変わらずお化け屋敷の見た目で、本格的に作ったから怖いよなぁと、思いつつ進んだ。
「内装変わってますね」
焦りが混じった声で、山本が呟く。
何も言えず、ただ歩いた。

絨毯の色が変わった。
深い緑に変わり、内装も一変した。星が基調になっている。
「道の幅が、広くなったね」
「あっ、部屋…」
扉をくぐった先には、太陽系の模型があった。なかなかに大きい。まだ不可解な事が起きていないことに、感謝しつつ歩く。
「福良さん！見てください！若干だけど…動いてますよ！」
山本が指差した模型は、ゆっくりと太陽の周りを公転している。惑星にぶつからないように、太陽へ近づく。不思議と暖かかった。
「あったかい…けど、触れたら火傷しそう」
「模型ですよね？」
二人で苦笑した。まさか模型がガスでできていて、熱を出しているなんて…ねぇ？

「あはは…あは…＿マジだったらどうする、山本」
「ねー…本物じゃないことを願いましょうか」
渇いた笑いは小さな太陽に吸い込まれていった。

しばらくして、山本とこの部屋を探索していると、絵画の裏に御札を見つけた。
「ねぇ、山本。これってさぁ、あの御札だよね？」
「そうですね。…何で此処に？」
元のお化け屋敷に置いてあるはずの御札。ここにある意味はなんだ？
「__他には何も無さそうですね」
隅々まで調べ終えたが、御札しか進捗は無かった。
「だよね。でも、まだ何も起きてない…」
その瞬間。

建物が揺れた。