・ループ ページ22
side河村
ループか…
「つまりはさ、順番が合ってたら違う場所に出れるってことでしょ？」
みんな頷いた。
「順番は探し当てるしかないかな？」
訊いてみる。
「ヒントになるような物も無いしね…」
「やっぱり探し当てるしか、」
そのとき伊沢が大声を出した。心臓に悪い。
「待って！！二つ試したい順番がある！」
「２つかよ！」
須貝さんのキレたツッコミが素早く飛んでくる。
「それで…その順番てなんですか？」
「まずは、部屋順。次に、意味不明の文」
伊沢は指で2を作った。
「部屋って何の部屋____っあ！？
もしかして、伊沢さんの臨死体験の…？」
「こうちゃん御名答。だから、俺→河村→福良→須貝→山本→こうちゃん(渡辺)の順」
しかし、順番というのは入る順番ではない。
「だとして、どの道に入るの？」
そこが重要だ。
「色でなんか決まってると思うけどな…」
須貝さんがそう言った。左から、水、黄緑、赤、緑の暖簾が付いている。
「ローラー作戦でいいよね？ 4人が一斉に道に入る…」
「僕はそれでいいよ〜」
福良に続いて他も賛同した。
「え、じゃあそれを何回か繰り返すだけですか？」
「そういうことになるね」
よっしゃあ、とこうちゃんはガッツポーズした。水色にこうちゃん、黄緑は伊沢、赤に僕、緑に山本が立った。
「せーの！」
一歩踏み出して後ろを向いた。
黒い…
進んでみても誰も居なかった。あれ、これは…
「成功なんじゃね？」
「成功だね」
「うおっ！？」
ぞろぞろと皆んなが入ってくる。
「河村さん以外ちゃんとループしたからね」
「びっくりした…」
ごめんごめん、と伊沢は笑いながら言った。
次は桃、黄緑、水色、橙色。
「前回は赤だからな？」
僕は山本と桃色の暖簾の道を通った。
進むと、
「あ〜戻って来ちゃいましたね」
本日3回目の景色だった。
「急いで赤をくぐろうか」
もちろん、その先には伊沢たちが居た。
「おっ戻ってきたな。正解は水色だってさ」
伊沢の親指がその道に向けられた。
「これを繰り返すんだね？」
「うん、間違えてもペナルティは無いからね。…俺ら、あんまり頭使ってないな…？」
「しょうがないじゃん」
こうちゃんの言葉を最後に、会話は終わった。一気に静かになる。たぶん全員経験したことあると思うけど、何故かその瞬間だけクラス内がシーンとすることあるでしょ？
それ。
この調子で3つ目、4つ目、5つ目もクリアした。
赤→水→桃→黄緑→橙の順番だった
作者から
【鬼屋は誘う】と【暗夜は続く】完結しました。ありがとう！！
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作者名：MOKKA | 作成日時：2023年11月22日 21時
