【QK】丑三ミステリー (ページ21)

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・（頭）脳＆筋（肉）ページ21

side福良

「____と、まぁここからは、みんな知ってること」
なんなら皆んなの方が良く知ってるんじゃないかな。気づいたら河村に抱えられてたし。
「…水減ってきたし次進むか？」
足首ほどの水位になっている。つい数分前は肩まであったのに。

「行くかぁ」
早く出たいしね、とこうちゃんが言う。
伊沢が扉を押した。
「うわ、重っ」
少なくても水があると開けづらい…のだが。

「よし、開いたぞ」
雑学と筋肉が増える一方の伊沢には、関係なかった。向こう側へ進んでみると、お化け屋敷に戻って来ていた。4つの別れ道の前だ。水が溢れて、直ぐに扉は閉めた。
「戻って…は、いないな」
見た目はもとのお化け屋敷。しかし現世に戻ってきたわけではない。
「一度出入り口に行ってみる？」
山本の提案に賛成して、歩いた。
足を動かす、動かす、歩く。

…この道がこんなに長いわけない。

皆んな、口にはしないけど絶対気付いてる。そして見覚えのある4つの別れ道。
『__やっぱり(かぁ)～！』
声が重なる。
「…あ、でも少し違う」
と、河村が呟いた。希望が湧くね。
「周りの装飾と…暖簾の色」
「本当だ」
さっきまではピンクは無かった。ループでは無い…？
また何も考えずに進む。すると次は始めと全く同じだった。
「ええ！？今度はしっかりと戻ってきたし！」
すると伊沢は無言で、明らかに不正解の道に走った。
「伊沢！？」
僕の声に振り向くこともなく、行ってしまった。
「俺はこっちだよ福良」
すると後ろから伊沢の声がした。
「マジでループしてんのか…」
「間違えたら振り出しに戻るってことね」

面倒な仕様に、僕はため息をついた。