【QK】丑三ミステリー (ページ3)

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【鬼屋は誘う】ページ3

side河村

某所、僕らが借りた建物にて。今は撮影の準備をしている。
「セットは？」
「オッケーです！」
あっちに行ったり。
「カメラはー！？」
「準備完了でーす！」
こっちに来たり。

見てわかるでしょう？今日は朝から大忙し。生放送程では無いにしろ、これは疲れる。準備ができて目隠し外したての伊沢を呼ぶと、覇気の無い声をだした。
「はぇ～…」
「すっげぇ手こんでんじゃん」
「えぇやっば」
「普通に怖い」

各々短い感想を言った後、司会が話しだした。
「みなさんには、お化け屋敷を歩きながらセンター試験を解いてもらいます！」
えぇ～と嫌そうにする声は無視して福良は続けた。
「お化け屋敷に入ったら、御札を取って帰ってきてください。まずは山本さんからー」
「え、御札(おふだ)？」
「御札です」
と、福良は答えた。
用紙を渡され、中へ入る山本。
「では我々は“ちょっと”待ちましょうか」

山本はなかなか帰ってこない。そりゃそうだ、あんなに手がこんだ仕掛けなのだから。
「…じゃあ、須貝さんも入りましょうか」
「え？…山本は？」
そう、まだ出て来ていない。
「__入りましょうか」
「いいのね？…わかったよ」
須貝さんが入ったのを確認して、僕はバックヤードへ向かった。このお化け屋敷は、1人ずつ経路が違う。
各自の怖い物がある道に仕切りを動かすのが僕の仕事。

須貝さんが来る前に、壁を動かした。
丁度ここに来るぐらいだろう。そしたら次はこうちゃんが入ってくる頃か。

モニターを観ながら、寛いでいた。