・やられたら… ページ14
side河村
扉のある空間まで出た。外の大きな福良を見る。
「ありがとう。お前がいなかったら僕は迷子だった」
「こちらこそ、僕がそっちだったらヤバかった」
「それはそう」
通った道を忘れる福良を、この景色の変わらない迷路に放り込んだら…たぶん帰ってこない。
「恩返ししないとね。…偽ふくらPをあばこう」
「ありがと、任せたよ。…あ、ごめん河村」
「え、何____」
まさか偽物ですなんて言わないよな…?
「僕今、スライムみたいなのに追われてるの。来たから逃げなきゃ」
えへ。と漏れたのが聞こえた。何でそんなへらっと笑ってられるんだよ!
だって、
「_逃げろっ!!後ろに居る!!」
驚異的なスピードで福良は駆け抜けた。凄いけど、アレから逃げれるのか…?
電話は切れていた。
扉をあけ、進んだ。
どうやら元の巨大水槽前に戻ってきたようで、僕の先にこうちゃんが居た。
「あ、かぁむらさん」
「…何食べてんの、こうちゃん」
「アメです」
よくアメなんか食べてられるなと思ったが、口にはしなかった。
こうちゃんに、部屋はどんなかんじだったか聞いてみたら、僕のとは違った。謎解きは部屋によって違うらしい。
暫くして、伊沢、山本、福良が集まった。
そして須貝さんも。
「おぅ、みんな待たせたな」
手を振ってこちらに駆けてきた。
「よし全員揃ったな!」
と、伊沢が言ったのを合図に、
僕は福良との約束を果たすことにした。
作者から
【鬼屋は誘う】と【暗夜は続く】完結しました。ありがとう!!
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作者名:MOKKA | 作成日時:2023年11月22日 21時