【QK】夕焼ミステリー (ページ9)

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4日目ページ9

by須貝

歩き慣れてしまった廊下は白いながらも暗く、窓から見える灰色の雲は気持ちを沈ませる。これまた見慣れた［172］のドアを開ける前に、廊下のソファに座った。今中には福良さんとこうちゃんが居るのだ…。面会に制限が無くなっても、病室に何人も入るのはなんだか気が引ける。

今日こそ伊沢に言おう___なんて、何度思ってやめただろう。
わかってる。いや、わかってないかもしれん。…聞けばいいさ。「何か隠してるよね」って「俺が手伝えることならなんでもする」そう言えばいい。それでも、言いたくない事だったらどうしよう…とか、本当に怖がってたらどうしよう…とか、ぐるぐる考えていると今度は考えるのをやめてしまう。これはまた明日、福良さんと話し合えばいい。そう思ってしまうのだ。
これもまた、福良と話し合えばいい。

こうちゃんが出てくる。俺をみるなり「おっ」と呟いて笑顔になる。ドアが開いているので、福良さんと伊沢も見えた。
「来てたんですね須貝さん。俺出てくんで…入ってください」
「ん、ありがとこうちゃん」
入れ替わりで病室に入ると早押しボタンが置いてあった。またやってる。
「どうよ伊沢、調子は」
「どこも悪くねぇよ。明後日リハビリだとさ」
「リハビリ？どうして？」
まったく聞いた事ないぞ。と福良さんを見れば、「ごめんね～」と言った。
「俺、ずっとベッドにいるじゃん？だから歩く練習とか…まだ腕も上がらないし…」
「まじで？えぇ…頑張れ」

そして俺達はクイズを楽しんだ。福良も時間がないので代わりにとむが来てくれて、そのまま面会終了時間が先か、クイズが無くなるのが先かの勝負(？)をした…

____________________(観察日記)

やっぱりクイズは楽しかった。伊沢も楽しんでいた様子で、そこまで隠し事に気を取られている感じはしない。
福良さんの意見も聞きたいので、話し合いの日が早くきてほしい。