【QK】夕焼ミステリー (ページ36)

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おまけページ36

by伊沢

足音がした気がして目を覚ました。変わらない172の病室。
白く清潔な壁に取り付けられた扉から音がする。

ガラッ

突然開いた扉から入ってきたその男を見て、俺は声が出なかった。LEDが、そいつの褪せてきた金髪を輝かせる。俺が呆然としていると、そいつは紙袋を差し出してきて言った。
「お見舞い…一応持ってきたんやけど、食べられる？」
第一声がこんなことある？
「あ、いや…食べれない」
「だよなぁ」
俺が答えると、紙袋をベッドの側に置いて「誰かにオフィスに持ってってもらえ」と言った。俺の頭は回転しないままだったが話しかけた。
「…来てくれたんだ…？」
「そりゃくるやろ」

それから俺達は会話を楽しんだ。
近況報告を中心に、あらゆる話をしたと思う。できればクイズもしたかったのだが、問題が無いのでどうしようもできなかった。俺の病室には早押しボタンだけある。

感動の(？)再会を終えて、アイツは出ていった。
体感そんなに時間は経っていないと思ってたが、1時間は越えている。もうこんな時間かと、また寝た。

そんな5日の話。