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11日目 ページ20

by須貝

「須貝さーん。ちょっと来てください」
都内某所クイズノックのオフィス内。俺は乾にキッチンへ呼び出された。
「あんた今度は何を作ってんの…」
目の前に広がるのは、ボウルと水。他に置いてある材料は、一体何に使うつもりなのだろうか。
「伊沢さんへの手土産ですよ?」
「それはなんとなく分かってる。その手土産の内容を聞いてんのよ」
すると乾はスマホの画面を俺に見せた。
「これです!Oohoってやつです!」
あー聞いたことはある。数年前によくテレビでとりあげられた、掴める水。そしてそのまま食べられる水。
みんなも無色透明な大きなイクラ、みたいなのが摘ままれた画像を一度は見たことあるんじゃないだろうか。
「…なんでこれ作るの?」
「ほら、伊沢さん一応病人じゃないですか?栄養が傾くような差し入れとかはダメなんで…」
「だから掴める水を食べてもらおうとした、ってところか」
そうです、と乾は言った。
「もしかして前回のゼリーも?」
「はい。ゼラチンと小量のビタミンなら大丈夫と言われたので、ゼラチン作りました」
もうゼリーのことゼラチンって呼んでるよこの子…
「須貝さんは掴める水の仕組み説明役として呼びました。…味見はこうちゃんにしようかと」
「お、理科のお兄さんに任せなさい!」

_________________________

作り方は至って簡単で、すぐにできた。
「結構でかいの作れたな」
直径8cm級の大物だ。__本当に大物かは知らん。
「そういえば…これどうやって持ってくの?」
破けやすいと聞いていたので、気になって尋ねた。乾は「あっ」と言葉をこぼす。まさか、お前…
「考えてなかった!!」
「はぁ!?」
「タッパーとかありませんか…?」
食器棚や引き出しを探してみる。タッパーくらいあってくれよ。__まさか無いなんてこと
「あったー!」
「よかったぁ」
俺の手には水色の蓋のタッパー。しかし直径8cmがギリギリ入る大きさだ。
「もうちょい大きめの入れ物ないか探すわ」
「あ、俺も探します!」

引き出しからもう一度食器棚へ。
「おっ発見!」
長細いタッパーが上の方にあった。サイズはさっきの2個分。
「それなら入りますね」
入れ物を水で満たし、掴める水たちをその中へ入れた。ぱっと見水しかないようにみえる。
「じゃあ明日また僕達で渡しましょう!」
伊沢差し入れ大作戦2、開始は明日だそうです。

___(観察日記…?)

こうちゃんは怪しんで味見してくれなかったので山本に押しつけました!

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作者から

CEOの観察日記、完結です。ありがとうございます!!


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作者名:MOKKA | 作成日時:2023年10月17日 8時

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