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神はいないけど ページ19

「…そんな事があったんですね…」
伊沢の臨死体験の話が終わり、山本が呟いた。
「僕は山本に霊感があったって方が驚いたけど」
「えぇ!?」
「5歳のとき何があったの」
「それが、覚えてないんですよ…」
「覚えててよ」
「しょうがないじゃないですか!」
山本と2人で軽く内輪もめしていると、伊沢の反応が無いことに気付いた。
「…伊沢?あー…気分は?」
「前よりマシ」
返事はできるようだ。良かった。
「あっ、話は続けれますか?」
「たぶん…できるよ」
会話を続ける。僕は山本に質問した。
「山本、その黒いのってどのくらいの頻度で見かける?」
「僕は霊感といってもちょっぴりなんで…いつもはみかけないですよ。ただこの病院は沢山いて怖いですね」

そうか、なら僕の考えがありえるかもしれない。
「じゃあ、伊沢にもともと霊感的なものがあったとか。ありえるのかな」
「…ありえると思います」
「それが臨死で強くなったとかさ。あるんじゃないかなーって思ってて。だから今、大禍時にあった事故をしらみ潰しに探してる。前例がないかとか、幼少期になんかないかとか…」
「なんも出てこねーだろ」
伊沢が会話に参加した。
「あるかもよ?今埼玉県から探してる」
「勝手にしとけ…」
伊沢は呆れてため息をついた。僕らの報告会はこのぐらいで終わった。
「そうだ伊沢、福良や須貝さんやこうちゃんにはいつ言う?」
「…近日」
「わかった。その時は呼んで?…山本もね」
目の色が変わる。
「…そうするよ」
____________________
僕らは病院を出て、話し始めた。
「えっと山本、一昨日はごめんね。勝手に…盗み聞きしてさ」
山本はなぜか驚いた顔をしている。
「__僕が人の気配に気付いたこと、わかってたんですか?」
「え、もちろん」
山本と目が合ったまま間が開いた。わー山本の目可愛いなー
じゃなくて、
「これは僕が引かれてるかんじ?」
「んんと、そういうことです。」
足音に気付いただけなのに。
「…盗み聞きの件は気にしないでください。ずっと隠し通せるものではないと思っていたので…でも、誰にも言わないでおいてくださいね」
言わないでおいてとは、怖がられると思ったからだろうか。僕はなんでもいいのだが…まぁ自分の世界観と他人の世界観は違うというのは重々承知している。
「わかったよ。幸い誰にも言ってないし、誰にも聞かれてない。」
ありがとうございますと山本が言い、2人とも帰路についた。

11日目→←とおかめ らしい


作者から

CEOの観察日記、完結です。ありがとうございます!!


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作者名:MOKKA | 作成日時:2023年10月17日 8時

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