【QK】夕焼ミステリー (ページ18)

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とおかめ　らしいページ18

by河村

［伊沢今日なら大丈夫そう？］
そう発信したメールの画面には既読の文字が浮いている。返信はない。昨日はまだまだ心の準備ができていなかったのだろうか、須貝さんと一緒に帰されてしまった。僕あそこに10分も居なかったよね？
スマホが振動する。
［うん、来て］
と短い文だけが送られた。
来ての続きには、［話したいことがある］とついていそうだった。僕も話したいことがあるんだ。だから今日は珍しく早い時間に来たのだ。
いつも通りエレベーターを降りれば、いつも通りの白い廊下があって、窓から見える灰色の雲はなんだか気持ちを落ち着かせた。伊沢の病室に入る。

僕はドアを開けたまま立ち止まった。
山本がいた。
こちらを見ている。
謝ってないのを思い出して声が出なかった。

「河村さん！」
「あ、山本…」
無意識に伊沢の方を向いた。僕の“なんで山本がいるのか疑問オーラ”をちゃんと感じ取ってくれたらしい。
「まあ河村は中入れって。…で、河村が来たから話すよ。山本。」
「話す？」
一瞬では意味がわからなかった。
「山本には把握してもらおうと思って。それに…お前は山本の話聞きたかったんだろ？」
ようやく頭がまわってきて理解しはじめた。今だに困惑する部分もある。
「…本当に僕以外に話してなかったんだね…まずそこから」
「信じてなかったのかよ」
すぐさま伊沢のツッコミが入った。
「そして、山本の話は…聞いていいやつなの？」
「俺はいいと思ったから」
「僕もはい」
そんな軽い話だったかなぁ…
「それならお言葉に甘えて、聞くよ。全部話してくれ」

僕の言葉から山本の話と、伊沢の話は始まった。