9日目 ページ17
by須貝
面会時間になったのでまた病室に来てみれば、件の伊沢は静かに寝ていた。丸椅子にどかっと座って、今日フル稼働させた頭を休めた。目を閉じれば寝れそうだ。
「いや、何してるんですか」
突然人の声で起きた。声の主は伊沢である。
「え、あ寝てた」
時計をみると40分は此処で寝ていた。
「寝るならベットのほうが良いと思うんだけどな」
「ここは静かで寝やすいから」
「それは同感」
たわいもない話を続けていると、ドアがノックされた。
「伊沢入るよー」
河村の声だ。
「んー」
河村が入ってくると俺を見て驚いた顔をした。
「いたんですね須貝さん。あれから体調はよさそう？」
「もちろん」
「え、須貝さん風邪だったの？」
と伊沢が言う。
「風邪ではないらしいよ。…ね、何だったんだっけ？」
とてもニヤニヤしている。河村このやろう…
「えー…二日酔いです。いや情けねぇ…」
「でも珍しいな」
「そうそう。それに皆んなお疲れだよねー」
伊沢がフォローしてくれた。河村は人で遊ぶな。
「疲れてんだよな…。やっぱり寝るならベッドにしておこうかな」
「それが一番良いって、河村も休みなよ」
伊沢は河村を見て言った。
「…わかった。そうしとくよ」
この人も普通に疲れてそうだよなーと思いつつ、2人で病室を出た。
「僕はオフィスの方へ戻りますけど、須貝さんは？」
「あー家に帰ろかな。ベッドにダイブしてこなきゃ」
「間違えてソファにダイブしないようにしてくださいね」
河村が小さく笑いながら冗談を言う。
道が分かれるまで楽しく歩いた。
____________________(観察日記)
__逃げるしかない自分が悔しいよ。
あ、伊沢は元気そうでした。なんだか寝過ぎな気がするくらいです。
作者から
CEOの観察日記、完結です。ありがとうございます！！
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作者名：MOKKA | 作成日時：2023年10月17日 8時
