【第106章】雛形 ページ48
祭りから１ヶ月。祭りで買ってくれた新規のお客さんを含め店は繁盛しつつ穏やかに過ごしていた(どっかのナンパ野郎はどっかの脅威が...いや、これ以上は言えない)
「はぁ、寒くなってきましたね」
ob「そうねぇ。あの人のコートも出さなくちゃ」
朝の仕込みと準備を終え開業までの休憩していると窓の外に見える人達の口から白く漏れる吐息に「もうそんな時期か」と脳内で零しながら呟くと一緒にお茶していたおばあさんも視線を追いながらそう応えた。祭りの時の澄んだ秋の空から何処か重そうな冬の空へと変わっている空を見上げながら暖かい紅茶を飲み干しレジへと向かった
今日も今日とて怒涛の勢いで売れていくパン達が午前と午後の部で綺麗になくなりお金の締めも終えて帰ろうとした
その時、
ob「Aちゃん1つお願いがあるの」
｢？...なにかありましたか？｣
oz｢実はのぅ｣
その内容に思わず顔が引き攣ったが彼等の縋る様な視線に首を縦に振る他無かったAであった。その夜、
ma｢モデル...ですか？｣ﾊﾟﾁｸﾘ
｢...そ｣
ma｢確かに大通りの写真屋さんの店主御高年齢ですし｣
｢跡取り候補だった息子はウチの軍でバリバリの現役だと｣
ma｢寂しい事ですが仕方ありませんね。それで最後に？｣
｢引退前に縫製職人の奥さんが最後に作ったウエディングドレスの写真を自らの手で納めて終わりたいんだって｣
本当は断るつもりだった。己の生業上顔を知られるのは困るし...け、結婚なんてした事がないから作法も分からない
それにあんな真っ白で綺麗なドレス...私には、と思ったが顔はベールを被せるから写らないし、ポーズは奥さんが指導するから問題無い、とか
｢あと、奥さんが東の出だから黒髪の人が良いんだって｣
ma｢あ〜...この国でも珍しいですからね｣
｢彼等にも凄くお世話になってるし顔が見えないならいいか、て感じで受けてきた。あと、ぁの...〜ッ...｣
ma｢？｣
視線をふらふらと揺らしながら口篭る様に話すAに首を傾げ耳をすませると
｢ま、マスター花婿やってくんない？｣
ma｢え？｣
｢出来れば175cm位の標準体型の男性モデル探して欲しいって言われて...マスター179cm位だよね？｣
ma｢え、そぅですが...。私で宜しいので？｣
｢だ、だって...それ以外｣
??｢話は聞かせて貰ったで！！！！｣ﾊﾞｰｰｰｰﾝ!!!
｢うわ｣
扉を勢いよく開き飛び込んできた声に思わず素で声が出た
しかし男は気にすること無く歩み寄り
ut｢僕が居るやん｣
｢アホか｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
霧幻(プロフ) - LUさん» コメントありがとうございます┏〇゛最後まで頑張ります！ (9月20日 7時) (
レス) @page37 id: 495a1b59b2 (このIDを非表示/違反報告)
LU - わ〜！！！滅茶苦茶好きです……！！knさんとの絡みが特に好きです……！！一気読みしちゃいました……！！応援してます‼️お身体に気を付けて頑張ってください〜〜✊ (9月18日 21時) (レス) @page38 id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霧幻 | 作成日時：2023年7月15日 16時
