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話を切り替え最近の出来事を話し始めた彼等を横目に酒弱組のカクテル擬きを作っていたマスターは所々に耳に飛び込んでくる彼女の名前に胸が暖かくなった
ma「(この国に呼んで良かった)」
そうして彼等と出会わなければ彼女が変わる…いや、“戻る”ことはきっと無かっただろう。自分では踏み込めない領域まで臆する事無く踏み込み彼女の信頼を、心を掴んだのは間違いなく彼等なのだから、とちょっぴり羨ましくなりながらグラスを渡せば屈託ない笑みを浮かべる彼等も他国から恐れられる幹部だとは思えない程に穏やかだ
ma「(そんな彼等だからこそ、でしょうかね)」
初めて彼女と出会った時、それは故郷を離れ旅をしている時に山賊に襲われ危うく殺されそうだった時だった
目の前で縦に真っ二つにされる男の血飛沫を被り呆然と座り込んでいる私を見下ろすその瞳はただの石ころを見る様な空虚な瞳だった。その瞳が酷く恐ろしく震えていた私から視線を外し歩き去ろうとする背中に声…いや、鳴き声をかけたのは私に憑く黒猫。本来は銀白色の毛を持つはずのケットシーをじっと見下ろし「何？」と声をかけた彼女に黒猫は必死に縋った
ma「(馬車もなく山の中で襲われてあのままなら野生の魔物の腹の中、もしくは餓死してたでしょう)」
それが解っていたのか必死に助けを乞う黒猫を茫然と見ていた私が固まっていると言葉は分からないはずなのに「分かった」と言う彼女に心底驚いて声を上げたのは忘れません
その後、1番近い街まで護衛をしてくれた彼女に街の入口でなけなしの金銭を渡そうとしたが断る彼女に
ma「(いつか必ずこの恩を返します、か)」
別れる間際に叫んだ声に少しだけ見開き、何処か泣きそうな顔で去っていった彼女を次に見たのは我々国に移り住みBarを経営する事になってから半年後。我々国の路地裏に血濡れで座り込んでいた彼女は壊れかけていた。衝動的にその手を取り店まで連れ帰り看病した事で現在の“互いに恩がある”関係が出来たのであった
その後、自立するまで回復した彼女がその時の劣悪な国の状態を見てふらりと出ていったかと思えば次の日には城で何かあったと噂が廻り、聴けば王の側近が殺されたとか
それから革命が起きたりなんだりに流されつつも何処かから依頼の情報を受ける彼女の手助けをする為に繋ぎとしての役割を受け持つ事にしたのだ
そこから色々ありつつ少しずつ歩み寄れた距離
それでもあの頃の彼女は私達に何かあったとして動く感情は持ってはいなかった
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霧幻(プロフ) - LUさん» コメントありがとうございます┏〇゛最後まで頑張ります！ (9月20日 7時) (
レス) @page37 id: 495a1b59b2 (このIDを非表示/違反報告)
LU - わ〜！！！滅茶苦茶好きです……！！knさんとの絡みが特に好きです……！！一気読みしちゃいました……！！応援してます‼️お身体に気を付けて頑張ってください〜〜✊ (9月18日 21時) (レス) @page38 id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧幻 | 作成日時：2023年7月15日 16時
