【第97章】毛玉 ページ14
前回良い感じで終わったAは軽く絶望している
視界の端に忙しなく映る影から目を逸らし、猫撫で声の弁解から耳を伏せた……そう、塞いだのではない“伏せた”のだ
遡る事約12時間前、出張から戻りBarでゆっくりと飲んでいる所に現れたのは鬱。缶詰だったのか薄らと隈を乗せた目元に労わっていると
ut「あ、Aにコレあげるわ」
「……何？」
ut「マンちゃんがマダガスタールからのお土産で買ってきたんよ」
「ふーん」
ポケットから取り出した箱の中に入っていたのはトリュフの様なモノ。ただ何となく嫌な予感がして戸惑っているAの様子に苦笑いを浮かべた
ut「多分やけどマンちゃんのことやしただのチョコだと思うで」
「……そうか」
鬱の言葉に嘘は感じられない。確かにソルンではテーブルいっぱいに広げたケーキを平らげていたし相当の甘党である事は間違いないだろう。気のせいか、と指先でチョコ()を掴み少し匂いを嗅ぐが普通に甘い匂いしかしない
毒の気配もしないが、なんか脳の端がモヤモヤする感じ
暫く至近距離で見つめてからパクりと一思いに口に放り噛み砕けば中からチョコレートリキュールがトロリと零れる
美味い
ut「な？美味いやろ？」
「ん」
ut「マンちゃんに言うとくな」
そう言って運ばれて来たウイスキーを互いに飲みながら話す事30分。やけに身体が熱い
「ッ…ん///」
ut「A？顔、赤いで？酔っとるん？」
「違…ッ…は///…なに、？」
ut「(涙目エr)水飲みや」
ドクドクの心臓の早鐘が鳴り、短く零れる吐息が熱を帯びている。くらりと脳が揺れる感覚に上手く水が飲めずに零すと鬱が支えてくれたが思わず凭れかかってしまう
ut「ッ！？A！？」
「はッ…///ん…ッ///」
ut「ッマスター車出せるか！！」
ma「直ぐに用意します！！」
完全に膝が崩れ座り込む彼女を支える様に一緒にしゃがみこむとギュッと握られる裾。思わずキュンと高鳴る胸に「今はそれ所やないッ！」と煩悩を追い出しマスターの車に乗って城へと急ぐ。移動中にペ神に連絡しておいたおかげでストレッチャーと待機してくれていた
ut「ッすまん！頼むッ！」
sn「熱が高いねッ…直ぐにクーリングと採血の準備！」
mb「はいッ！！」
素早くストレッチャーに乗せられ運ばれて行く彼女を追うが治療室の前で止められてしまった鬱は歯痒い気持ちで見送る
そこに、
tn「大先生ッ」
rb「Aはッ！？」
ut「…今、検査中や」
夜勤帯で勤務していた幹部が駆け寄り3人で扉を見つめた
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霧幻(プロフ) - LUさん» コメントありがとうございます┏〇゛最後まで頑張ります！ (9月20日 7時) (
レス) @page37 id: 495a1b59b2 (このIDを非表示/違反報告)
LU - わ〜！！！滅茶苦茶好きです……！！knさんとの絡みが特に好きです……！！一気読みしちゃいました……！！応援してます‼️お身体に気を付けて頑張ってください〜〜✊ (9月18日 21時) (レス) @page38 id: cc01457125 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霧幻 | 作成日時：2023年7月15日 16時
