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「美空ー！！ 」
ガヤガヤといつも通り騒がしい教室の中、自分の席に座っていると背後から猫耳ヘッドホンをつけたジャージの少女に背後から抱きつかれる。
「うわっ！ ……って、なんだ千紗渡か……」
「なんだとはなんだー。いつも朝練やらなんやら頑張ってる美空に千紗渡ちゃんが癒しを届けに来てあげたのに。ほれほれ、私のこの愛くるしさで疲れを吹っ飛ばせー！ 」
千紗渡にギュッと抱きしめられていると、赤髪の長髪にヘアピンを付けた少女が、千紗渡の脳天めがけてチョップをかまし、千紗渡は「ぐぇっ」と情けない声を出した。
「あんたに癒されても疲れが倍増するだけでしょ。少しほっといてあげなよ」
「むー……不意打ちだなんて酷いよ、静香。腹の肉モミモミしちゃうぞ！！ 」
「は！？ させるわけないじゃんそんなの！！ てか私太ってないから！！ 」
「ほんとか〜？ 静香が柔道の特待生とはいえ、四六時中食べ物食べてたら少しは脂肪が付いてるんじゃな〜い？ 」
「そ、その分特訓し、最近は量減らしてるから平気よ！ ……多分」
「ほほう……？ なら、本当かどうか調べさせろー！！ 」
千紗渡と静香の追いかけっこが始まり、騒がしさが更に増す。
まぁ、これがいつも通りの日常なんだけどね。
「おい、奏多奏多！ 」
「ん？ 」
呼びかけられた方を見ると、机の前には猫耳帽子にパーカーを着た青年が机に手を置いて私を見ていた。
「あ、吾妻君。急にどうしたの？ 」
「どうしたもこうしたもねぇよ！ お前、あの後輩の子に屋上に呼び出されてたじゃねぇか！ 告白されたのか！？ 」
追いかけっこしていた二人は吾妻君の言葉にピクリとさせ、凄いスピードで私に詰め寄ってきた。
「そうよ！！ 結局あの子とどうなったのよ！！ 」
「早く聞かせてよ！！ 美空！！ 」
「えっ、えっと……まぁ、告白はされたよ？ 」
三人の気迫に押されながらそう答えると、「おぉ！！ 」と目をキラキラさせながら更に詰め寄ってきた。
「それでそれで！ お前あの子になんて答えたんだよ！！ 」
「えっと、確かあの時は____」
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