37話 ページ38
岳斗side
ブレイダー試験は終了し、俺達は自分達の受験者カードを受付の人に渡して本部にある借りてる部屋へと帰っていった。
部屋に入って疲れた身を癒そうとベッドに横たわろうとする____
____が、そうも簡単に行くものではなかった。
「………」
「あー……えっと……そのー……」
鬼のような形相で見下ろす真冬に対し、俺は正座の姿勢をして真冬から顔を背ける。
「……おい、クソ兄貴」
ビクッと肩を震わせ、顔を青くさせ、そんなに熱くもないのに大量の冷や汗が出した。
完全にキレている。
真冬が俺の事を「バカ兄」とは呼ばず、「クソ兄貴」と呼ぶ時は、大抵本気でブチ切れている時だ。
母さんもスイッチが入る時は物凄く怖いが、真冬にも母さんの血が入っている。
こうなった真冬は父さんでも震え上がってしまう程だ。
「他の受験者の人達が話してるの聞いた。他の受験者への暴力行為、他者の擬似レイヴンの奪取、擬似レイヴンの二つ持ち、他者の擬似レイヴンの使用……知ってるよね、ブレイダー試験で1個でもルール違反をしたら脱落だって。それを一度に4個？ 」
「あ……えっとー……」
「双葉さんからの条件、どちらかが脱落したら両方脱落したと見なし、この部屋からも出て行ってもらう。そしてブレイダー試験も二度と受けない。そういう条件だったはずでしょ？ それを自ら破るだなんて……どういう神経してんの？ クソ兄貴」
「うっ……」
弁解なんて出来るはずもない。
俺は生きる為の道を塞いでしまった。
真冬が受かったとしても、俺は脱落する。
つまり……俺達は行く当てもなく彷徨うことになってしまうだろう。
「私達にはこの道しかなかったんだよ？ それなのに……なんでこんな事したの」
重い空気が場を包む。俺は顔をしかめるが、直ぐに顔を上げ、真っ直ぐと真冬を見た。
「あいつらに腹が立ったから、ただそれだけの理由だ。俺だってわかってた……ルール違反したら脱落することぐらい。でもな、真冬が暴言を受けてるのを見て、あいつらが他の受験者を利用してるのを見て、黙って見てるなんてこと出来なかった。悪いとは思っているが、俺はあの時何もやらなかったら、ぜってぇ後悔してたと思う。俺はきっと、自分の事を恨んでたと思う」
俺の真っ直ぐな目を見て、真冬は顔を伏せ、自分の掴んでいた裾をギュッと握った。
「……もういい、どれだけ最低な奴かわかったよ。お兄ちゃんとは絶交する。これ以上、私を巻き込まないで」
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赤猫(プロフ) - くろーさぎさん» はい、ありがとうございます！これからも頑張ってきます！ (2019年7月24日 7時) (
レス) id: 4f3a6e4e78 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 失礼致します！とても面白いです！！個人的に木下さんが好きです……�兇盍萃イ辰堂爾気ぁ� (2019年7月24日 7時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
赤猫(プロフ) - riiuさん» いいですよ！ぜひぜひ作ってください！ (2019年6月17日 20時) (レス) id: 4f3a6e4e78 (このIDを非表示/違反報告)
riiu(プロフ) - 真冬ちゃん本当すこ……あ、お願いがあるんですが…この作品のスピンオフ的な立ち位置でComitemという作品を作りたいのですが…よろしいですか？ (2019年6月17日 19時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
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