3話 ページ4
欠伸をしながら階段を降りると、リビングではエプロン姿をした母がキッチンで洗い物をしており、父さんは食卓に座って新聞を読み、真冬は朝食を先に食べていた。
「ふぁ……おはよー……」
「おはよう、もう朝食できてるわよ」
「真冬から聞いたぞ。パンツを見て殴られたんだって？ 岳斗もやるなぁ」
「やるなぁ、じゃないよ！ 私ほんと恥ずかしかったんだからね！ 」
「俺はお前みたいなペッタンに興奮する程飢えてはいねぇよ」
「はぁ！？ 」
「兄妹でも少しはデリカシーってものを持った方が良いわよ？ 岳斗」
「へいへい」と適当な返事をし食卓に付いてテレビの方を見ると、『超巨大魔隆出現も ブレイダーの迅速な対応で被害無し』というニュースが流れていた。
「また魔隆かよ、最近こればっかじゃねぇか」
「何言ってるの、『ブレイダー』がいてくれるから平和に生きていられるんだよ！ 世界を魔隆の危機から救ったのもブレイダーなんだし！ 」
60年前に突如として現れた黒い怪物『魔隆』は世界を壊滅状態に陥れた。
ありとあらゆる生物を喰らい、全てを破壊し、兵器を持ってしても倒すことのできない魔隆に人類は絶望した。
だが、その世界を救ったのが1人の力を持った者だった。人はそれを『ブレイダー』と呼び、今では魔隆に対抗するための国家公認の対魔隆組織機関・アルティネイターも設立されている。
「だからブレイダーはみんなの憧れの的なんだよ！ 」
そう熱弁する真冬の目はとても輝いていた。
「真冬は本当にブレイダーが好きだな」
「私だってブレイダーになる夢があるからね。私もみんなを守れるブレイダーになりたいから！ 」
「真冬は昔から正義感が強いわねぇ。でも、ブレイダーはそう簡単に出来ることでもないのよ？ 」
「ブレイダーだって死者が出る事はある。お前に危ない橋は出来るだけ渡って欲しくないんだが……」
「俺は別にその夢も悪くねぇと思うぜ。こいつなら本当にブレイダーになれると思うし」
それに……あの恐ろしい馬鹿力もあるしな。
「お兄ちゃん……なんかお兄ちゃん気持ち悪いよ。急に褒めてくるなんて頭大丈夫？ 」
褒めて喜ぶかと思ったら真冬は俺を汚物を見るような目で引き、その反応に俺は少し怒りを覚えた。
「応援している兄に対して引くのはねぇだろうが」
「本当に仲が良いわねぇ。あ、そろそろ行かないと、学校に遅刻するんじゃない？ 」
そう言われてテレビの時間を見ると、登校時間の15分前になっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤猫(プロフ) - くろーさぎさん» はい、ありがとうございます！これからも頑張ってきます！ (2019年7月24日 7時) (
レス) id: 4f3a6e4e78 (このIDを非表示/違反報告)
くろーさぎ(プロフ) - 失礼致します！とても面白いです！！個人的に木下さんが好きです……�兇盍萃イ辰堂爾気ぁ� (2019年7月24日 7時) (レス) id: 472ca3e356 (このIDを非表示/違反報告)
赤猫(プロフ) - riiuさん» いいですよ！ぜひぜひ作ってください！ (2019年6月17日 20時) (レス) id: 4f3a6e4e78 (このIDを非表示/違反報告)
riiu(プロフ) - 真冬ちゃん本当すこ……あ、お願いがあるんですが…この作品のスピンオフ的な立ち位置でComitemという作品を作りたいのですが…よろしいですか？ (2019年6月17日 19時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
