３２ ページ33
あれから
山本さんが私の体を支えながら歩いてくれて
５人で私の家に向かった
『狭いところですが
どうぞ』
みなさんは「お邪魔します」と一声かけ
リビングに入ると
私をソファに座らせた
その周りに座る４人
重い空気の中、拓朗が口を開いた
「なんで、俺たちには言ってくれんかったん？」
河村さんは気まずそうな顔をしている
山本さんと伊沢さんは
拓朗と同意見のようだ
『迷惑を、かけたくなくて・・・』
「俺たちがこの話聞いて
迷惑なんか思うわけないやん」
「そうだよ、Aちゃん」
「相談してほしかったな」
『QuizKnockのみんなは
関西から出てきて
何も分からない私を
受け入れてくれて
温かく接してくれて
そんなみなさんに
心配をかけるのが、どうしても嫌で』
涙が溢れて止まらなかった
迷惑をかけたくなかったのに
結局大きな迷惑をかけてしまったことへの罪悪感や
みなさんの温かさ
それに気づけなかった私の愚かさに
「ばか」
『え？』
拓朗は勢いよく
でも優しく
私のことを抱きしめた
壊れ物でも扱うかのように優しく
「ほんまにばか
ただでさえAに会えなくて
寂しかったってのに・・・
ほんまに心配した」
いつもクールな拓朗が
声を震わせて訴える
私に
いなくならないでと言わんばかりに
「Aが大阪から出てきて
東大入るって聞いたとき
俺がAを守らなって思った」
『拓朗・・・』
「おばさんにも約束した
その約束、守らせて」
『・・・ごめんなさい』
伊沢さん、山本さん、河村さんが
心配そうに私を見つめる
拓朗がゆっくりと私から離れる
その目には涙が溜まっているようだった
いつも、絶対泣いたりしない拓朗が
『心配をおかけして
本当にすみませんでした』
「Aのことを守りたいのは
川上だけじゃないよ」
「俺たちにも、Aちゃんのこと守らせて」
『伊沢さん、山本さん
ありがとうございます』
「Aちゃん・・・」
河村さんが
申し訳なさそうな顔をして私に近づく
「ごめん、俺が
Aちゃんのこと１人にしなければ
こんなことには・・・」
『河村さんは何も悪くないです
それに私、河村さんの言葉がなければ
電話することもできませんでしたから』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 289人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Lily(プロフ) - 泡姫さん» ありがとうございます！何度もコメントしてくださり、最後まで読んでくださって本当に嬉しかったです！本当にありがとうございました！ (2019年1月18日 21時) (
レス) id: 75dd804998 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫 - もう本当素敵すぎます！ありがとうございます。 (2019年1月17日 22時) (レス) id: c29d185bf6 (このIDを非表示/違反報告)
燐音(プロフ) - 泡姫さん» またコメントありがとうございます！川上さん人気ですね、参考になります！ありがとうございます！！ (2019年1月17日 7時) (レス) id: ce053a5c30 (このIDを非表示/違反報告)
燐音(プロフ) - kinsakiさん» コメントありがとうございます！なるほど、参考になります！ありがとうございます！！ (2019年1月17日 7時) (レス) id: ce053a5c30 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫 - 私も川上さん落ちがいいです！ (2019年1月16日 22時) (レス) id: c29d185bf6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：燐音 | 作成日時：2019年1月10日 1時
