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歓迎会が始まってからかなりの時間が経ち


河村さんと須貝さんは酔いが回らないうちに


と言って帰っていった


今現在の私はというと





『・・・』



「ん・・・」





山本さんが肩に寄りかかって寝てしまい


身動きが取れない状態





「ごめんね、Aちゃんの歓迎会なのに」





伊沢さんが申し訳なさそうに笑う





『私は、大丈夫ですよ


みなさん楽しそうでしたし』



「そっか・・・


俺ちょっとトイレ行ってくる」



『はーい』





伊沢さんが立ち上がり、部屋を出ていくのを見送り


周りを見渡す


こうちゃんも拓朗もすっかり眠ってしまっている





『睫毛なが・・・』





隣を見ると


山本さんが可愛らしい顔をして眠っている


なんとなく子どもっぽく見えて


そっと頭を撫でた





「ん・・・？」



『あ、起こしちゃいました？』





手を引っ込めようとすると


山本さんは私の腕をぐっとつかんだ





『山本さん？』





山本さんが寝ぼけ眼でじっと私を見つめる


いつもとはずいぶん雰囲気が違って


鎖骨が見えて色っぽい


顔が近い、すぐにでも触れてしまいそうなほど


私何考えてるんだろう





『山本さん、どうしたんで・・・！』





一瞬何が起こっているのか理解できなかった







・







・







山本さんの顔がぐっと近づき


瞳を閉じている山本さんの顔が目に入る


お互いの前髪が交差して


唇には生暖かい感覚







・







・







キスされていると自覚したのは


山本さんが離れてから





『え・・・え、山本さん！？』





山本さんは私から離れるなり


ソファに吸い込まれるように倒れた





『酔うとキス魔になるとか、そういうやつかな』





深い意味はないということにしておこう


そうは思っても


さっきまであった山本さんの感覚が抜けない


唇にはまだ熱が残る





今まで、色んな恋愛ドラマを見てきて


キスシーンを見るとドキドキしていたけど


実際してみるとこういう感じなんだ





山本さんの寝顔を見ると


さっきのことが頭に浮かんで


顔が熱くなった


恥ずかしくて、山本さんの顔が見られない


山本さんには悪いけど、不可抗力だから仕方ない





『お水、飲もう・・・』







・







・







・







「・・・っ」

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