0226 "MANIAC" ENCORE in JAPAN <OSAKA> ページ16
Aにとって、この京セラ公演は特別なものになるだろうとは思っていた。僕、ヒョンジンと同じINFPというのもあって気持ちも何となくわかる。Aの故郷である日本での公演でライブをするのはさぞ楽しみだろうと思った。だけどここまでとは思っていなかったのだ。
🐶「A泣きすぎだよ」
🐿️「ヨロブン〜僕たちAがこんな泣いてるところ見たことないんですよ……」
広いステージの真ん中で号泣するA。stayからのサプライズでヨンボクとスンミン、イエナとチャンビナ、それにチャニヒョンまで泣いてしまうラストとなった。そんな中突然stayの歓声が大きくなる。思わず振り向くと後ろに座っていたAの大きな瞳からぽろぽろと涙が溢れていた。
🥟「ヤー、、A〜〜……」
思わず駆け寄るがAの視線はずっとstay達を見渡していた。隣には既にリノヒョンがいてAの涙を拭っている。あー、役目を奪われちゃったよ。
Aは口をきゅっと結んでもともと隣に座っていたヨンボクと一緒にステージをじっと見ている。ここからの風景を目に焼き付けるように辺りを見渡しながら、それでも涙は止まらなくて、そんな彼女の涙をリノヒョンが優しそうに微笑みながら拭っていた。
撮影禁止というルールがあるらしい日本での活動は、誰もがスマホを持たずにペンライトを握りしめ、僕たちのステージに釘付けになる。照明に照らされたステージから見る景色は、ペンライトの光が何よりも眩しく夜空の星みたいに広がっていて胸に込み上げるものがあった。stayを心配させないように泣かないと決めている僕ですらぐっと胸が熱くなるのだから、Aは特に感じるものがあったのだと思う。
えぐえぐと泣き続けるヨンボクの隣で静かに涙を流すA。リノヒョンは一瞬抱きしめようとしたが、stayを見続けるAを気遣ってか肩をそっと抱いた。ヒョンは何も言わない。ライブだから何か話さなきゃいけないのだけどその役割は僕たちに任せたのだろう、そしてそれがAに対するヒョンの優しさなんだと思う。Aとリノヒョン、stayが生み出した夜空を見る2人を心から美しいと感じて思わず見惚れてしまった。
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作者名:おいしいねむい | 作成日時:2023年6月25日 23時