乱入者 ページ33
禅院家の呪いを継いで 生まれた者 その呪いを捨て切れなかった者
彼らは目撃する 全てを捨て去った者の 剥き出しの肉体
その躍動を！！
現れたのは、生気、正気が無い黒い目をした、ニットセーターを着た術師。
その手には、何故か特級呪具が握られている。
「Aさん…！！」
その人物の乱入に目が行っていたAは、その隙を突いた陀艮の攻撃と、いつの間に移動した
乱入者の攻撃が合わさった二重の攻撃で吹き飛ばされた。
『うっ…！！』
Aは空中で二転三転し、地面に叩きつけられ滑りを停止する。
「(誰だ……！？)」
真希「(人間……術師か！？)」
「(脱出ではなく新たに術師を招き入れたのか…！？)」
「(速！！？今空中に居たろ！！それだけじゃねぇ…なんだこの、力は！！)」
｢真希さん！！」
呪力無しで、フィジカル面に強い真希すら、反応速度が遅れた。
呆気に取られる一同は、その者の威力に圧倒されるばかりだ。
「(呪力をまるで感じなかった！！ただの力比べで負けたのか？！
この私が！？)」
「伏黒君！」
「…駄目です、穴塞がれました。しかも今のでコッチの狙いがバレた。
…もう簡単に開けさせてもらえない。」
直毘人「……！！甚爾か！！」
オガミ婆の降霊術は 彼女の死後も継続する
器である孫の呪力が尽きた時点で 降霊も終わる……ハズだった
はじめから禪院当時の肉体に上書きされた孫の魂に呪力はなく
その上 その肉体は呪力を消費しない
術式は終了する契機を失った
重なったイレギュラーに 術式の暴走
今
その牙は常に 強者へと向かう
「(何だこの男…呪力が無い？)言うには及ばんな。
(当然の様に水面を駆ける！！依然呪力は感じられない…だがしかし！！
上がり続ける速度！！硬度も攻撃力も…今までの式神とは違うぞ！！)」
「
純粋な力の塊 それ故にその威力は 持つ者の
真希「ジジィ、誰だアレは…」
直毘人「…フンッ、亡霊だ。」
直毘人は知った事か、と言わんばかりに吐き捨てる。
七海「伏黒君…もう少し持ちますか？」
伏黒「……はい。」
「申し訳ない。…彼に賭けます。」
七海達は、実力差を理由に、仕方無く待機する事となった。
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作者名：神樂颯稀(Macoron) | 作成日時：2021年10月23日 20時
