小賢しく ページ31
陀艮も、この状況下に
『…アンタ、海の呪霊のハズだから、これくらい見当付けといても良いはずだけど…？』
Aの声だけは聞こえる。
だが、姿が見えない。
数十秒、その状況が続き、もう
何とその場所は
「地面…？！」
「何だ…あの術は…！？」
『だから言ったでしょう？海の呪霊なら、見当が付いていてもおかしくない、と。』
ガラガラッ…と粉砕された地面から、何事もなかった様に出現するA。
その術は、最早小賢しいという程に近かった。
「この無能な貴様が…！！」
『寝言は寝て言って頂戴。』
Aが呟いた瞬間、またしても目にも留まらぬ速さで戦闘が始まっていく。
七海「Aさん、伏黒君…2人共、決して無理はしないでください……君達は私が守ります。
領域に集中して下さい。」
陀艮「(およそ一分…
髭の男も！！)」
直毘人「たかが右腕一本、さりとて71年物…高くつくぞ。」
短期決戦を画策したAの攻撃が段々と精度を落とし、運悪く陀艮の攻撃が直毘人の
腕を切り落とす。
『(しくった…！！)』
「(この状況が続けば…勝機はある続けばだ！！伏黒君はもう…限界だ！！)」
伏黒は合流した時からそのまま陀艮との領域の引っ張り合いにケリをつけようと
しているが、既に
『(伏黒君まで限界…！私も先程から少しずつ調子が狂い始めている…
攻撃の精度が低くなり続けている！何か少しでも自分に欠陥があると、ここまで
深刻になるものなの…？！落ち着け、御上A…！私がやるべき事は、まだ残っている…！)』
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作者名：神樂颯稀(Macoron) | 作成日時：2021年10月23日 20時
