舞い戻る ページ30
「！？！？！？！？！？」
その身体には呪具が突き刺さり、直後に、血が混じった水と共に降りかかる
無数の氷柱。
それは、水と赤とのアンバランスなはずのコントラスト。
なのに、その場に居る全員の目には、スローモーションで酷く綺麗に映る。
ブシュッと、鮮血と共に、陀艮の肉体が少しずつ飛び散っていく。
ソレと共に、ギチギチとと陀艮の身体を固めていく何か。
「こっ……コレは、毒が！？」
少し間を置いて、また無数の氷柱が陀艮に突き刺さる。
先程よりも強力な一撃が繰り出される。
それを操る人物は
「
淡々と
半分顔を隠す髪、片目から
『たかがビーチを広げただけの領域で、そう簡単に勝てるとでも思った？
…受胎らしくないわ。』
「Aさん……どうして」
その場にいる誰もが、Aの参戦に手を止めた。
『…どうして？決まってるでしょう、私はまだ生きてるし…やるべき事は山ほどある。
あんなオジジの暴言でへこたれる私なんて……もう捨て去ったも同然。』
言いながら、Aはゆっくりと陀艮に向かっていき、手の中にある何かを握って、
陀艮に勢いよく飛びかかった。
その攻撃に、誰もが違和感を感じた。
攻撃の跡が、見えないのだ。
何か特殊な技を使ったとしか考えられない。
「
『私が呪詛師と手を組んだ覚えは無いわ。』
「その術式、その声音…奴の手下か！？」
『アンタの指す''ヤツ,,が誰を指してるかにもよるけど…一体誰だと？』
「あの呪われた家の家系だな？貴様…誤魔化して我々の目を
随分と余裕をかましている様だな。その内、裏を
Aは、会話の最中も、一切攻撃を止める事なく次々と技を重ねて繰り出していく。
『裏を
その瞬間、陀艮は元より、その場に居る全員が目の前の光景に目を疑う。
何と、Aの姿がどこにも見当たらないのだ。
人間という存在である限り、その気配と存在を消すという事は不可能に近い。
だが、Aはそれをやってのけたのだ。
「(あの術師…先程から妙な違和感を感じる…！人間という存在を超越しているのか！？)」
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作者名：神樂颯稀(Macoron) | 作成日時：2021年10月23日 20時
