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「A、・・・生活は、どうだい」
「・・・え」

近寄られると、彼からふわりといい匂いがする。頭がクラっとする。

また、嫌な記憶。

『チクったら、どうなるか分かってるよね』
『分かっ、てるから・・・お願いします』
『え、やめないよ?ふふふ』
(助けて、誰か)
(もう、早く楽に_________)

その時、脳裏によぎったのは、天使だった。

『怖がらずに、こちらへおいで』

その天使は、目の前にいる彼とそっくりだったのだ。

「すまない、自己紹介がまだだったね。僕はユーリィ。よろしく頼むよ」

そっと手を出される。やっぱり、この感じは。ユーリィくんは。

「お願いします・・・」

そっと手を重ねる。その手は暖かくて、私は涙を流した。

「ご、ごめんなさい」

手をサッと離して、ハンカチを取り出して目を抑える。小学生はやっぱり感情が表に出やすい。泣いたらダメなのに。

「・・・」

ユーリィくんは、そっと私の背中に手を置いて、とんとんと叩き出した。

「よく我慢したね。偉いよ、君は強い」
「ゆ、りぃさ」

それを影から見ていた女の子達の影に、私は気づかなかった。

「チッ、私たちのユーリィくんに・・・」



放課後、みんなが帰った後、私は教室で本を開いていた。愛読書、人間失格。

これを読んでいる時は、自然と自分が上手く生きていけるような気がしたのだ。

突然、ドアが勢いよく開いた。

「転校生ちゃん、ちょっといいー?」

5人くらいの、高学年?の女の子達。

私は恐怖で震え上がった。昔の虐めの始まりも、こうだった。

「ちょっと、着いてきてくれないかなぁ?」

「・・・はい」

我慢していれば、すぐ終わるから。私はいつもの様に、女の子達について行った。

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作者名:くもり。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qqwqqwqqw1/  
作成日時:2020年8月28日 13時

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