プロローグ ページ1
「なんで死ねないの」
はじめは首を吊ろうとした。
でも、縄が千切れて死ねなかった。
次は電車に轢かれようとした。
でも、その日だけ運休だった。
その次は飛び降りようとした。
でも、その下に何故か古びた布団を運ぶトラックが置いてあって死ねなかった。
その次も、その次も。
いつも、"キセキ"のように成功することは無かった。
私はまた、もう何回目かもわからない自死をする。
今日は上手く行く気がした。
私は段に登って縄に手をかけた。
そして首にかけると、段を蹴り飛ばした。
「さよなら」
私は笑顔で、遠のく意識を見送った。
_________･･････あれ、ここ、どこだ。
おかしい。なんだか身体が軽いような。そして前にはふよふよと浮くお化け。
「はい、しっかり並んでくださーい」
それを･･･ガイコツが整列させている。
そうだやっぱり私は死ねたんだ。
唇がゆっくりと弧を描く。まあ顔はないのだが。
きっとここは見た目的に地獄という所なのだろう。私は、自害をすると地獄に行くという話を聞いたことがあったのでピンと来た。
ガイコツさんの言う通りに並んで、しばらく待っていると、目の前で大きな判子を押す男の子？が居た。
よく聞こえないがきっと地獄の王様、閻魔様かなにかなのだろう。
次は私の番。裁かれようと閻魔様の前に立った。
「お前は･･････よし、話を聞こう」
「うわ、っ」
ポン、と魂だけの姿から人間に戻った。
「どれどれ？･･････(名字)A、17歳か」
閻魔様は私の顔をまじまじと覗き込む。人と目を合わせるのが苦手な私は、目を逸らした。
「死因、自ら自分を殺めた、か･･････よし、決めた」
閻魔様はぽん！と手を叩き、私を指さして行った。
「現世で小学生からやり直せ」
「っ、！？」
大きな判子が紙にバン！と押されると、私は大きな門に吸い込まれるように入って行った。
嫌だ、また。
「また、地獄のような世界で生きていくなんて」
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作者名：くもり。 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/qqwqqwqqw1/
作成日時：2020年8月28日 13時
