この世界が幻だとしても。

ずっといっしょ【シド主♀，芥川りん様リクエスト】 ページ2

Aside



ここ最近、相棒の様子がおかしい。
始め、世界が本物になった時。

その時は｢これからは1人で冒険したっていいんだぜ？｣なんて事言ってたのに……

今じゃあ私を縛り付けて、どこでも何をするにしてもずっと着いている。

これじゃ私は人形じゃないか。
そう思ってもシドーは光のない目で私を愛おしく抱きしめるだけだ。
"やめて、離して……"、そう思い、シドーの胸元をグッ、と押した。
だが男女の差と言うものは激しく、一向に離れる気配はない。

怖いよ、いつものシドーはどこなの？

いつの間にか体が震えていた。
シドーは暖かい言葉を私に言う。
だが、私の胸には全く響かなかった。





｢寒いのか？オレが暖めるから、離れるな……｣





そう言ってもっと強く抱きしめられる。
骨が軋みそう。痛い、そう叫ぼうとしても声が出ない。
瞬きと同時に涙が頬を伝った。

ソレを見るとシドーは目を丸くした。




｢……泣いてる、のか……？｣





どうして、とでも言いたげに言う。
ごめん、ごめんね、シドー。

怖いんだ……貴方が。

大好きなのに、どうしてだろう。





｢シドー……も、離して……｣




涙を流しながら言えばシドーは怒り出した。
｢オレはこんなにクリエの事が好きなのに｣と外にも聞こえるぐらいの声で叫ぶ。
暫く黙っていれば、シドーはふはははっ！と笑いだした。


｢そうだ、オマエも神にすればずっと一緒にいれる……｣




じりじりと近付いてくる中、シドーは今までになかったような笑顔でこう言った。





｢ずっといっしょだ｣

空耳が激しいシドーくん【ギャグ?】→←きっとこれが──。【シド主♀】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す