ライラックの花【東京喰種×暗殺教室】 (ページ5)

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Three stories ページ5

Aside

1歩を踏み出した瞬間、小さな段差があり、つまづいた。
嘘でしょ────────初日からつまづくなんて。
と思うが”まぁ転けてもすぐに治るし大丈夫かな”と目を閉じ衝撃を待つが中々その衝撃は来ず疑問を持って目を開ける。
私の脇腹に回っている黄色。
声にならない声を出すと風が吹く。
私は仮にも助けてくれた人に対して口を開いた。

｢……人？タコ？化け物？それとも喰種？｣

思わず私は何者なのか問うていた。
化け物はヌルフフフ、と気持ちの悪い笑い声を漏らして私の頭を撫でてくる。

｢私は担任の殺せんせーです。今日から楪 Aさんの担任になる者ですよ｣

嗚呼因みに、と人差し指のような触手を立てて｢私は喰種でも人でもタコでもありません。超生物です｣と言って笑ってみせた。
コイツ──────いや、この先生は明らかにおかしい。
ならこの学校の生徒も他の教師も皆タコの容姿をしていたりするのだろうか。

｢……殺せんせー、ですね。私は……あ、名前はご存知ですね。学校に通うのなんて初めてなのでどのように接すれば良いのかあまり分かりませんがよろしくお願いします｣

ととりあえず手を差し出して微笑んでみせる。
人じゃないのなら、喰種を差別しないあの人間じゃないのなら……この先生は私の事を認めてくれるかな。

｢──────はい。よろしくお願いします、Aさん｣

殺せんせーはそう言って私の手に触れた。
刹那、殺せんせーと私の間から火花が散った。
これは比喩表現とかじゃなくて、本当にバチバチ、と音がして鳴ったのだ。

思わず手を摩り、何故だと心の中で首を傾げる。
一方殺せんせーの方は触手が少しビリビリしているようで驚いていた。

｢っAさん……これは……｣

｢あ……えっと……｣

これは喰種である私と超生物である先生がぶつかってしまったから起きてしまったのだろう、と仮説を立てて1つ頭の中を整理する。
言い訳を言おうとするが中々言葉が出てこない。

────────そういえば。
烏間さんが言っていた。
殺せんせーの事を3月までに殺せと。
その為に私の家にあのナイフとか銃とかが届いていたのか。

私は念の為ポケットに入れておいたナイフを手に持ち、にっと笑った。

｢このナイフを使ったんです。どうです？驚きました？｣

｢そ、そうでしたか……掌には何もなかったのですがどおりで……｣

先生は納得したように頷いた。