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明け方、まだ辺りは暗い。
駐車場に、福良くんはいた。
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彼女と寄りを戻すことになった
と、連絡が来たとき。
わたしは、
やっぱり福良くんを好きで。
福良くんと付き合いたかった、のだと
やっと、わかった。
メールの最後の文。
『またなにかあったら、
連絡してもいい？』
……………泣いた、なあ。
わたしは、ちっとも、福良くんの恋愛対象じゃなかった。
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それから、
だいぶ経ったある日。
事情を知った友達が、
福良くんのことを怒ってくれて。
わざわざ、わたしの家の近くの駐車場に。
………福良くんが、謝りに来るという、奇跡。
あぁ、もう。
正直。
気まずい以外の何者でもない。
なにか、話そうかなと思うけど、
言葉が、出てこない。
『ごめん』
沈黙を切り裂くように、
福良くんの声が、聞こえた。
わたしは、
(すきになれなくて、ごめん、と。)
拒絶されたような気持ちになり。
涙が溢れ出た。
わたしは、一度も。
このひとにすきだと、伝えてないのにな。
勝手に盛り上がって、勝手に傷ついて。
『…………福良くんは、
なにも、悪くない。
福良くんが、
とても、すきでした。』
『…………………俺は、』
……そのときのことばを、覚えていない。
気づくと、
福良くんに抱きしめられていて。
何度か、啄む様なキスをした。
熱に浮かされたような時間は、
ほんの、すこしで。
福良くんは、
二度目の
『ごめん』
のあと、しずかに立ち上がり。
ゆっくり去っていった。
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作者名：345 | 作成日時：2022年10月29日 19時
