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28（side:sgi） ページ28
『…………Aに聞いたのに。』
『…………すみません。』
『………なん、…』
……俺も、だ。
いま、起きようとしていることが、わからない。
『……気が、変わった。
Aフリーだっていうから。
掻っ攫いたく、なっちゃったよ。』
本気なのかなんなのか。
ただ、俺の目の前で、手を出されたら。
『………全力で阻止します。』
………黙って、いられるわけがない。
先輩は、見透かしたような顔をしている。
『……A。ごめんね。
須貝を呼んだのは俺。
………なんだろう、うまく言えないけど。
フェアじゃないかと、思って。』
『……先輩、』
先輩は時計をちらりと確認したあと。
そっと立ち上がり。
……Aにだけ、
聞こえるような声で言葉を交わす。
『……ごめん、急用。』
立ち尽くしていた俺の肩を、
ぽん、と先輩がたたく。
にげるなよ
………口の動き読めたっけ、俺。
ゆっくりうなずいて。
先輩を見送った。
続く (更新停止中)
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作者名：345 | 作成日時：2022年9月21日 0時
