フォークボールは打ち返せない【qk】 (ページ17)

今日:23 hit、昨日:2 hit、合計:11,670 hit

17（side:you）ページ17

須貝くんから、バーベキューのお誘い。

素直にうれしくて。

知らない人ばかりなのは、

心配だけど。

少しでも、須貝くんとの距離を縮めたかった。

---

郊外の、

緑豊かなところ。

駅からすこし歩いた場所にバーベキュー場があるらしい。

須貝くんとは、駅で待ち合わせ。

『A』

名前を呼ばれただけでうれしいとか、

まあまあ重症だ。

バーベキュー場までの道。

たわいない、会話。

須貝くんの隣にいる、自分。

この間の出来事が、まだ夢のようで。

指がすこし、

触れたり。

離れたり。

手を、つなぎたい、なぁ。

須貝くんの薬指だけ、

ちょっと掴んで、みた。

少し節張った、指。

須貝くんはぴくり、としたけど。

素知らぬ顔、してる。

そのあとバーベキュー場に着いてしまって。

なんとなく、人目もあって、

距離をとる。

きょう、

ふたりきりだったらよかったのに、

と思わずにはいられなかった。