秘密【qk】 (ページ39)

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あたたかい。

この手に、

ずっと、触れたかった、のだ。

心臓がどうにかなりそう。

足も、うまく動かない。

須貝の足が止まって。

須貝が、紡ぐ言葉を脳が理解した時。

…………急に、こわくなった。

須貝の彼女は？

わたしの彼氏は？

傷つける、ことになる。

『須貝とは、あわない』

でも、すき。

須貝が、すき。

『……それで、

俺が、あきらめると思った？

それとも。

俺を、遠ざけようとした？』

『この手で俺を。

……掴んだ癖に。』

気づくと手を掴まれていて、

耳元で囁かれた言葉に、

頬があつくなるのを感じた。

『Aの、

どこが最低なの。

みんな、好き勝手やってんのよ。

何に、罪悪感抱いてんの。』

ぜんぶ、お見通しだった。

『……いくらなんでも、

学校で、いちゃいちゃしすぎはだめだろ。

青少年の、目に毒。』

頭をぐしゃぐしゃしたあと。

『嫉妬でしにそう』

ぽつりと言った。

殴られに行くか！と笑う須貝に。

………伝えたい。

『いまは、須貝と。

ふたりでいたい。』

須貝は目をまるくしたあと、

驚くほど優しい目をして。

『嫌って言っても、

離してやらないよ？』

このあと。

とけて、とけて、

姿形がなくなってしまうほど。

甘やかな言葉が、わたしを襲うのだった。