秘密【qk】 (ページ20)

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卒業前、同窓会の幹事を押し付けられた。

やってみると、意外に楽しかった。

女性の幹事がAちゃんだったのも大きい。

28歳の彼女は、それはそれはうつくしく。

簡単に手を出せないようなオーラも持ち合わせていた。

そんな、彼女から頼み事をされて。

断る男がいるなら、教えてほしい。

きょう、おれには幹事以上の任務があるのだ。

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『きょう、

須貝くんの誕生日だから、

お祝いがしたくて。

ケーキ、準備したんだ。

同窓会の最後に、

みんなでハッピーバースデーできないかな。』

須貝、おまえ。

どういうことだ。

10年たってて、

つきあってもなかった、

学校一の美人に。

誕生日覚えられてるって。

本人は自分が今日誕生日であることを、

すっかり忘れているようだった。

周りにも示し合わせて、

サプライズ。

と思っていたら。

『須貝？』

須貝は同窓会の終わりを待たずして、
すやすやと眠ってしまっていた。

Aちゃんをちらりと見ると、

外を指差していたので、

周りに上手いこと言って、

抜け出した。

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『寝ちゃったね』

『おれ、叩き起こそうか』

『ごめんね、

変なこと言い出して気を遣わせて。』

彼女の顔が曇るのがいたたまれなくて。

おれは。

『あいつの部屋でサプライズしようぜ』

と、ノープランにも関わらず口走っていた。