同居人たち。

３３. ページ33

...


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睨み合ってる2人を置いて、

私と中川くんは席を移動した。


竹内さん…変なこと言わないでね……

それだけが唯一気がかりなことだ。




「気になります？」


『へっ、』


「あそこの2人。Aさんずっとチラチラ見てるから」


『そ、そんなことないよ。』


「ほらほら、もっと飲んでください」


『わ、ありがとう』




中川くんに注いでもらった日本酒を

一気に身体に流し込む

あー…今日酔い回るの早そうだなあ..




『中川くんは部署どこなの？』


「営業っす。涼真先輩と一緒の」


『ああ、じゃあやっぱり外回りとかが多いんだ？』


「ですね。やっぱり営業は顔売ることが大事だから」


『たしかに。お疲れさんです』


「おっとと。あざっす」




中川くんの空になったとっくりに日本酒を継ぎ足す

なんかこういうの、後輩が出来たみたいで嬉しいなあ

あはは、なんかやっぱり酔い回るの早いかも。




「あの、聞いていいっすか？」


『んー？』


「涼真先輩のことどう思ってるんすか？」


『え、…良きお友達？というか』




シェアハウス仲間、というべきか。

いや、やっぱり誤解を招きそうだし。

私たちそもそも友だちと名乗ってもいいのだろうか…

そこは些か疑問だが。




「ふーん。先輩彼氏とかいないんすか？」


『彼氏なんてもう何年も居ないよ』


「えー。作らないんですか？」


『作らないっていうか作れないっていうか』


「絶対嘘じゃん」


『嘘じゃないよう、ばかあ』


「ふふ、先輩酔ってきてるでしょ」


『酔ってないし。

なんか中川くんと話してるの楽しいね。へへ』




冷酒をとっくりに注ぎ、また流し込む

あー……このまま昨夜のことも忘れてしまいたい

お願いだから私の記憶から消えておくれ




「おお、先輩って結構飲める口なんですね」


『こんなのよゆーよらよ！』


「あー、でも酔ってきちゃいましたね。

ほら、これ飲んでください」


『やだあ、水美味しくない。こっちがいい』


「１回水挟まなきゃ駄目ですよ」


『いじわる…』




中川くんに取られてしまった冷酒の代わりに

お水を無理やり飲まされる


あー……頭ぽわぽわする

すっごく楽しい気分だなあ



.




少しだけ意識ある状態で先程の2人を見つめたら…、



「よし、俺の勝ち！」


「くっそ、次は負けねえ！」



なんだかお酒の一気飲み対決をしているようだった。

(※良い子は真似しないでね)







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