同居人たち。

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「シートベルト着けろよ」


『はーい。お願いします』


「…あ、ほら急いで来たからリップはみ出てるよ」


『わっ、』



竹内さんの親指が私の上唇に触れる



「ほら、完璧」



にっと笑う彼。

うっわあ〜〜…イケメンじゃん、

イケてるメンズさんじゃんんん…！！！




「じゃあ、しゅっぱーつ」




私の会社の住所をナビに登録してくれて、

彼はエンジンをかけて、バッグしようと後ろを見る



スーツのシャツを捲ってるから見える腕は

血管が浮き出てて男らしいし、

バッグする為に後ろを見る横顔も凄くかっこよくて。



な、なんかどきどきしてしまう。

やだやだ。朝から絶対寿命縮まってるじゃん。






彼は車中、沈黙にならないようにか

沢山話しかけてくれた。




「俺さー、洋楽好きでよく聞くんだよね」


『竹内さんって歌お上手ですよね』


「えー？俺Aの前で歌ったことあった？」


『ふふ。さっきから鼻で歌ってますよ』


「ごめん、無意識だわ。

この曲いいから聴いてみて」




そういって竹内さんは、

BGMでかかっていた曲の音量を少しだけ上げる


英語で何言ってるか分からないが、

とってもお洒落で格好いいなあと思った。


竹内さんの雰囲気と合っている。




「朝、まじでびっくりしたわ」


『本当に今朝のことは申し訳ございません…。

ほんっとに誤解で私たち何も無いんです』


「ははっ。

そんなに必死に否定されると信じるしかないよね。

まあ別に疑ってないよ。大丈夫。」



さっ、爽やか…！！笑顔が眩しい…！！



「正直、あんなに人に懐いてる亮初めて見たわ」


『懐いてるというか..、揶揄われているというか』


「んー。人に興味を示さないからなあ、あいつ」


『なるほど。猫っぽいですよね』


「言えてる。気まぐれだしな」



ふふふっと笑い合う。

楽しい。めちゃくちゃ楽しい。




「ほら、着いたよ」


『えっ、もうですか？早い…』


「Aとの会話楽しかった。仕事頑張ってな」


『はい、ありがとうございました！』




本当にあっという間の時間だった。



私は普段乗り物酔いするタイプだが、

竹内さんの運転は心地いいし、楽しいし。




ちなみにちなみに、余談だが、

竹内さんはバリバリの商社マンで、大きな会社に務めている。

誰もが聞いた事のある会社なので、知識がない・就活もぼーっとしてた私でも驚いたくらいだ。



『あのルックスであの会社って…神は二物も与えすぎたな』



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