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09 逃げないで ページ9
「あ、来たかも」
あー、彼女だっけ？
ずっと口説いてる人がいるとかどうとか言ってたけど…。
とりあえず俺もスタジオ戻んなきゃな。
顔合わせるだけにしろ！とかしつこく言ってたのを思い出して、玄関に向かう。
そのまま戻ろうと思って。
「今さ、俺の親友来てるんだけどちょっといい？」
「チャンミンの親友？いい人？」
「すげー悪いやつ(笑)」
「やー、チャンミナァ！悪いやつってなんだ…」
玄関の戸を開けて、チャンミンと寄り添う彼女を見て絶句する。
また、時が止まる。
「そんな…きゅ、ひょん…？」
今度はAの口から俺の名前が紡がれた。
「じゃあさっきのも…」
そう聞こえたか否か、俺は今度こそと一歩近づいたところでAは踵を返して飛び出していった。
「ちょ、待って！」
やっと会えたのに、どうして逃げるの？
わきめふらず靴下のまま飛び出して、階段の途中で彼女の、Aの腕を掴んだ。
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作者名：さぼ | 作成日時：2016年4月30日 2時
