08 予想外にはやくて ページ8
「チャンミン…俺見つけた…」
どうやってここに来たのかもわからない。
気がつけば俺はここ、東方神起の日本の宿舎へとやってきていた。
「は?何を?」
思考は停止して、マトモなことなんて何も無い。
Aと別れて初めての可能性なのだから。
「ってか、これから彼女来るからお前帰れよ」
生まれて類をみないくらいドキドキとしている親友に向かって彼女が来るとか言ってのける最強マンネ。
そんなことで引き下がれるわけない。
だてにブラックマンネの称号を得てる俺ではないのだ。
「は?お前彼女できたとかしらねぇよ。ってかあがるぞ?ユノヒョンいる?」
「ちょ!勝手に入んなって…!さっきヒョン追い出したばっかりなのに…ったく、まぁ1度は彼女に会ってもらいたいとは思ってたから丁度いいかもだけど、顔合わせる程度だからな?顔合わせたらすぐ帰れよ!久々に2人でゆっくりできるんだから」
ニヤニヤと笑みを浮かべてるチャンミンはさも馴れ初めとやらを聞いてほしそうだが今はそんな気分じゃない。
「お前、覚えてる?俺の初恋の話」
「えーと誰だっけあのオルゴールの、」
「幼馴染みなんだけど、今会ったかもしんない」
こういう話はチャンミンの方がしやすかったりする。
近すぎるメンバーだから言いにくいというか、絶対からかわれるのは目に見えてるし。
それにメンバーとは過去の、Aとかの話じゃなくて、今狙ってるヌナだとかそういう話で盛り上がるから逆に言いにくいのだ。
「10年近く会ってなかったとか言ってなかったっけ?」
「7年な。それがたぶん、ってかきっとそうだと思う」
「覚えてるの?」
「確証はないけど確信はある。だけど、俺どうしていいかわかんなくて。実際見つけたところで足が竦んで、呼びかけるだけで精一杯で、今度Aをみつけたらあの時の曲を届けようとか今のこと昔のこといろんなこと話したいとかずっと考えてたのになんにもできなくて…」
「まだそうと決まったわけじゃないんだろ?」
「いや、絶対そうだと思う」
見間違うはずがない。
たとえ7年の時を経ていようと。
「俺、悔しくて。もしかしたらそれが本当に最後だったかもしれないのに、」
「明日も同じ時間帯に行けば?この時間帯だと、仕事終わったくらいだしもしかしたら仕事帰りかもじゃん?じゃあ明日も通るだろうし」
「チャミナ!お前は天才だ!」
「ん、機嫌治った?んじゃ今度は俺の話を聞け」
ニンマリと笑ったところにインターフォンが鳴った。
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作者名:さぼ | 作成日時:2016年4月30日 2時