仕掛(fkr) ページ15
素直な女の子って、
かわいい、よね。
でも。
俺は。
---
『これ、なに。』
『バレンタインでもらったお菓子』
『………へえ。
おいしそうだね』
俺の家で、
久しぶりにAとデート。
俺はAの反応がみたくて。
山盛りのお菓子をテーブルの上に載せる。
『このチョコレート、
オレンジが…』
『……あ、ごめん、着信。』
Aは部屋を出て、廊下で話している。
………表情、変わらなかったな。
なんとなく、
電話の相手は男のような気がした。
電話の内容が気になる、なんて。
………当然でしょ。
『けんくん?』
気づいたら通話が終わっていた。
『あ、いや。
なんか、あった?』
『職場のひとから。』
詳細、
聞きたいんだけど。
『仕事関連?』
『…うん。』
『…………そっか。』
あんまり突っ込んで聞くのも格好悪い。
『……けんくんは、
大人だね。
だから。
わたしとは、合わない。』
『え、』
『わたしのほうが、
けんくんのこと、
好きすぎて、
…………つらい。』
はじめて、聞いた。
顔はクールなAのまま。
やばい。
Aを抱きしめない、
選択肢なんて、なくて。
『……ごめんね。
ちっとも、大人じゃない。
俺のほうが……』
『あいして、ます。』
94人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みゆ - うーん、全部の作品選べないくらい好きです!!! (6月4日 22時) (レス) @page33 id: 379497ea92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:345 | 作成日時:2022年10月14日 0時