疼痛(sgi) ページ14
検証
another day
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俺の背中でねむる、ひと。
俺が己の欲望に忠実だったら。
とっくに。
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いつも起こしてくれるから、
きょうは飲みに行こう。
と突然Aさんに誘われた。
俺は二つ返事で反応した。
最初はよかった。
楽しく、飲んでいたのだ。
だけど。
『………』
ねむい、と言って。
壁にもたれかかっている。
俺が手を伸ばすと。
『………すがいの手、
つめたくてきもちいーね。』
どうぶつのように、擦り寄る。
わざと、とか、あざとい、とか。
だまされてるとか。
それでも。
俺は大歓迎で。
どうやったら、
このひとを落とせるのかな、と。
それだけを考えていた。
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スイッチが切れてしまったAさんから、
住所を聞くこともできず。
仕方なく、俺の家に連れて行く。
『……殴られるかな、俺』
背中にいたAさんを、
ゆっくりベッドに寝かせる。
『………………たく、』
ちいさく、漏れた声。
………名前?
俺は、思考を遮断するように、
寝室のドアを閉めた。
朝まで。
胸が痛くて。
一睡も、できなかった。
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みゆ - うーん、全部の作品選べないくらい好きです!!! (6月4日 22時) (レス) @page33 id: 379497ea92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:345 | 作成日時:2022年10月14日 0時